天才のつくり方 / 茂木健一郎・北川拓也
プロフィール
茂木 健一郎(もぎ・けんいちろう)
1962年生まれ。脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、東京工業大学大学院連携教授。東京大学理学部物理学科、同大学法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学研究員を経て現職。専門は脳科学、認知科学。「クオリア」(感覚のもつ質感)をキーワードとした、心脳問題についての研究を行なっている。全国各地での講演活動や、テレビ出演、雑誌への寄稿など精力的に活動し、Twitterのフォロワーが45万人を超える(2012年9月現在)など、その発言は若者から中高年まで多くの日本人に注目されている。
Twitterアカウント:@kenichiromogi
北川 拓也(きたがわ・たくや)
1985年生まれ。灘中学校、灘高等学校を卒業。高校時代に化学オリンピックで国内最優秀賞を受賞。高校卒業後、現役でハーバード大学に合格。数学、物理学科を専攻し、ダブルメジャーで最優等の成績をとり卒業。現在も、ハーバードの大学院、物理学科で研究を続ける。今までに15本以上の論文が国際雑誌(Science, Nature communicationsなど)に取り上げられ、その内の3つの論文が編集長に特別に重要な論文として指定された。世界中の物理学者と共同研究をし、これまで20以上の研究所や国際学会で招待講演をしている。近年提唱した非平衡状態においてトポロジカル相を導出するという理論がオーストラリアの実験で証明され、Nature系の雑誌(Nature communication)に論文を発表している。
Twitterアカウント:@takuyakitagawa
1962年生まれ。脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、東京工業大学大学院連携教授。東京大学理学部物理学科、同大学法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学研究員を経て現職。専門は脳科学、認知科学。「クオリア」(感覚のもつ質感)をキーワードとした、心脳問題についての研究を行なっている。全国各地での講演活動や、テレビ出演、雑誌への寄稿など精力的に活動し、Twitterのフォロワーが45万人を超える(2012年9月現在)など、その発言は若者から中高年まで多くの日本人に注目されている。
Twitterアカウント:@kenichiromogi
北川 拓也(きたがわ・たくや)
1985年生まれ。灘中学校、灘高等学校を卒業。高校時代に化学オリンピックで国内最優秀賞を受賞。高校卒業後、現役でハーバード大学に合格。数学、物理学科を専攻し、ダブルメジャーで最優等の成績をとり卒業。現在も、ハーバードの大学院、物理学科で研究を続ける。今までに15本以上の論文が国際雑誌(Science, Nature communicationsなど)に取り上げられ、その内の3つの論文が編集長に特別に重要な論文として指定された。世界中の物理学者と共同研究をし、これまで20以上の研究所や国際学会で招待講演をしている。近年提唱した非平衡状態においてトポロジカル相を導出するという理論がオーストラリアの実験で証明され、Nature系の雑誌(Nature communication)に論文を発表している。
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【第1回】ハーバード大学って、どうやって入るの?
対談, 海外, 茂木健一郎, 北川拓也, 教育
専攻もない、文系理系の区別もない
茂木 今日はよろしくお願いします。北川さんは理論物理学を専門としているんですよね? 僕も物理専攻だったから、どんな研究をしているのかぜひ聞きたかったんですよ。
北川 いまは物性物理の研究をしています。いわゆる「ものづくり」の物理ですね。量子コンピュータの実現についての提案だとか……。
茂木 それはcomputational(理論的)に? それともphysical(物質的)なレイヤーで?
北川 physicalです。物ですね。これまでの理論物理では、自然現象を受動的に理解する研究が多かったのですが、僕はむしろ能動的に、物理法則を利用するとどういった新しい現象を起こせるのか、新しい物がつくれるのかという研究をしています。それで、最近つくった分野が、非平衡状態の物質を制御して新しいものをつくるという研究です。
茂木 それを理論上じゃなくて、実験でやってるんだ。すごくおもしろいね。
ちょっと細かいことを聞くんだけど、ハーバードってundergraduate(4年制大学の学部)での専攻科目はどの時点で決まるの? 日本の大学では、2年まで教養課程で3年から専門を決めたりするんだけど。
北川 専攻を決めるというか、取得した授業の単位が、行きたい専攻の条件を満たしていれば、degree(学位)がとれるというシステムになっています。だから、何年次という縛りはなくて、いつでも決められます。そして、たくさん授業を詰め込んで単位をとりまくれば、degreeはいくつでもとれる。それで、僕は4年の間に数学科と物理学科、どっちの学位もとりました。