今朝、僕の家の新聞入れに入っていました『武雄市民病院を存続させる会準備会』のチラシ。
実はこの武雄市民病院を存続させる会の結成総会が6月8日(日)午後1時半から武雄市文化会館ミーティングホールであるのですが、その記念講演に武雄杵島地区医師会長の古賀義行先生が呼ばれていて『地域医療と市民病院の役割』ということでお話になります。
そのお知らせとともにバランス良くいろんなことが書かれています(書かれた内容については僕ら医師会はノータッチです)ので、ちょっとご紹介し、僕の意見を( )で加えます。
●市民の合意もないまま強権的に進めていいのでしょうか?『市立病院の使命に立ち戻ろう』ということで自治体病院の幅広い役割について簡潔に書いてあります。(例えば新型インフルエンザの患者さんが発生した場合なども地域自治体病院が民間病院より先に対応してくれます。病気のときだけでなく地域の保健医療分野の中核の役割をするのです。その観点からの考慮が今の樋渡武雄市長にはありません。)
●5月30日に臨時議会が開催 病院投売りの条例が提案
(この条例の内容は本当にひどいです。)
第3条 市民病院事業の用に供される資産は、移譲先団体にこれを譲与し、もしくは時価よりも低い価格で譲渡し、または、無償もしくは時価よりも低い価格で貸し付けることが出来る。
(市民病院はここまで価値を貶めてまで投売りしなければならない病院ではなかった。本当にここまで低い価値になったとしたらそれはまさに市長責任そのものではないでしょうか。)
第4条 「市長は、移譲先団体にたいし・・・職員を派遣する」これは、移譲先が県外の事業所であっても派遣出来る内容であるとも考えられます。(できレースですからね。)
●なぜそう急ぐのか?民主主義を破壊する暴挙をやめさせよう!
なぜ6月定例議会があるのに時間を掛けてそこで審議しないのか?(つかれるとまずいことがたくさんあるからでしょう。そして良識のある方はみんな、なぜこのタイミングなのかと思ってらっしゃいます。)
昨日、佐賀大学の先生とお会いする機会がありました。その先生は武雄市民病院へ医師を派遣する立場にあられた先生のおひとりです。こうおっしゃいました。「武雄市はひどいねぇ。現場の医師の苦しみ方といったら、かわいそうだったよ。代わりに行ってもいいという医師もいないんだもの。それに武雄市の説明もひどいね。佐賀大学は全面バックアップで今までお世話してきたのに、現場の医師をこんな目にあわせておいて、しかも大学はあてにならないから民間移譲だなんて、本当にひどいよ。」市長だけでなく一部市議会議員さんの無理解ぶりも嘆いておられました。本当にそうだと思います。市長を筆頭に議員さん、そして市民が変わらなければ武雄市に地域医療は根付かないだろうと思います。
その良い転機となるのか?今日の臨時議会。(僕は診療のために行けませんが)
みなさん。臨時議会を傍聴しませんか?午前10時からです。
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・・・というか、おりました(?)。いえ、おります。
でもこれから出かけても、席はないかもしれませんね。
武雄市の議場傍聴席は31席しかありません。
今朝問い合わせしたら、別室準備については現在検討中だとのお返事でした。
別室での傍聴はできてもスクリーン等での映像が準備できるかどうかはわからない、と言われました。
今朝の話です。傍聴席が少ないことはすでに知っていましたが・・。
「今日の臨時議会は傍聴者が多いはず」だとは、予測可能なことです。
市民に対してオープンな市制を行うというのであれば、事前の準備も可能なはずです。
こういう点でも、なんだか腑に落ちない今回の動きです。
市、議会、どちらに言うべき不満なのかはわかりませんが・・。
で・・市民のための市制にもかかわる問題って話ですね・・。
民間移譲した場合の病院に求める医療機能についての市長答弁から。「今までの市民病院の機能は維持しつつ、住民のニーズに応えていなかったプラスアルファの機能・・・」・・・だったら、今の市民病院にプラスアルファの機能を持たせたらいいのでは?
プロポーサルについて「ひとつか2つしか応募がなくて、しかし選定の段階でふさわしくないと判断されたら再公募もある。選定委員は地元医師会の先生にも入ってもらう。」それにしても全国公募で公募期間が6月2日から16日までのたった2週間とは・・・。
誰しもがどんな場所に住んでいようが最良の環境で最善の医療が受けられるにこしたことはありません。が、それは無理です。なぜかというと、以前のブログにも書いたように日本の医療費と医師数はOECDの平均レベルよりも大きく少ないからです。少ない医療費と少ない医師数でボランタリー精神で支えられているのが日本の現状です。
そんなこと言わずにもっと頑張ってよ、と言われそうですが個々の場面では限界を超えているのです。過労死で亡くなる医師もいます。
人の命を助けたいと思っていない医師はいないと思いますが、それもできる限りのことをすると医療保険の点検でバッサリ削られて泣きを見る。自己負担が大きくなって家族がびっくりする、なんてことになります。
言うのと現実は難しい。そのギャップをいかに埋められるか。これは日々の課題ではありますね。個人ではどうにもならないことがあります。これは国が、そして生活者がどれほどの負担を覚悟するかということとイコールな話しではないでしょうか。
また私の母は医師である父と一緒に暮らしていながら突然死しました。ある意味、亡くなるときは亡くなる。僕は運命だと思っています。医師がする最大の仕事は亡くなるまでの苦しみをできるだけ少なくすることかなぁ。助けることと同じくらいに大事なことだと僕は思っています。
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