iPS臨床応用虚偽発表 森口尚史氏、移植手術を1例実施と主張
iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った移植手術について、うその発表をした森口尚史氏は、15日に帰国し、勤務する東京大学病院の事情聴取を受けたが、あらためて移植手術を1例実施したと主張した。
15日の会見で、東大病院は「きょうのところは、本人の話をかなり。一部つじつまが合わないんじゃないかと思われる部分も、わたしも感じています。(実際に手術を1件したことになっているが?)素直に『ああ、そうだな』というふうには思っていません」と話した。
東大病院によると、森口氏はiPS細胞を使った移植手術について、「1例はやった」とあらためて主張した。
見ず知らずの人からメールで打診を受けて、2011年6月、アメリカ・ボストン市内で30代の男性に対して手術を行ったという。
またiPS細胞については、アメリカで2つの化合物を使って作成したという。
一方、森口氏が名乗っていたハーバード大学客員講師の肩書については、「マサチューセッツ総合病院の准教授から、私的な書面をもらっており、公的なものではない」と釈明したという。
森口氏は15日午後、アメリカから帰国して東大病院に向かい、およそ3時間にわたって病院側の聴取を受けた。
森口氏は帰国時、病院側に辞意を伝えていたが、聴取では「説明責任を果たし決着をつけてから、身の処し方を考える」と述べたという。