伊予鉄道:運転士が前日飲酒 同乗の車掌が検査身代わり
毎日新聞 2012年10月15日 19時14分
伊予鉄道(松山市)は15日、男性運転士(38)が先月30日の乗務前、松山市駅(松山市湊町5)でアルコール検査を男性車掌(22)に身代わりで受けさせ、その後約1時間、列車を運転したと発表した。事故などはなかった。国土交通省四国運輸局はチェック体制に問題があるとみて、鉄道事業法に基づき16日から同社の特別保安監査を行う。
同社によると、運転士は乗務前日の午後10時ごろから約30分間、自宅で飲酒。翌日午前9時前、同駅乗務員詰め所に出勤し、乗務でペアを組む車掌に頼んでアルコール測定器に息を吹かせた。「焼酎約180ミリリットルを飲んだ。検知が怖かった」と話しているという。
別の駅から電話で点呼を取った内勤監督(58)も不正に気づかず、運転士はこの後、郊外電車・郡中線の同駅−郡中港駅(愛媛県伊予市米湊)間で普通電車(3両、乗客計約50人)を1往復運転。その後、背中の痛みがひどくなって退勤し、そのまますい炎で1週間入院した。同社は関係者を処分し、再発防止策を講じるとしている。【中村敦茂】