「首都圏から在韓米軍を追い出す」 

盧武鉉前大統領が金正日総書記に
与党セヌリ党の鄭文憲議員が国会で主張
盧武鉉財団「完全な捏造」

 与党セヌリ党の鄭文憲(チョン・ムンホン)議員は11日に国会内で会見を行い「2007年の南北首脳会談の対話録には、(故・盧武鉉〈ノ・ムヒョン〉前大統領が)故・金正日(キム・ジョンイル)総書記に『在韓米軍を首都圏から追い出す』と話したと記録されている」と暴露した。この会見で鄭議員は「国政調査によって南北首脳会談の対話録を公表すべきだ」と主張した上で、上記のように述べた。

 鄭議員の発言について、セヌリ党のある幹部は「発言の正確な内容については確認が必要だが、在韓米軍と関連する発言も会談の中にはあった」「『今後、首都圏から全て追い出す』というよりは『在韓米軍は平沢に移動することになり、韓米連合司令部の解体などもすでに決まった。北朝鮮が望む通りに事が進んでいるため(米軍について)あまり心配しなくてもよい』という趣旨だった」と説明した。

 盧前大統領は5年の任期中、在韓米軍については非好意的な発言を繰り返してきた。

 盧前大統領は南北首脳会談が開催された07年には、1月の新年の辞で「米軍がいなければ自分たちを守れないという考えが支配的なため『在韓米軍撤収』という言葉が出るだけで国全体が混乱して政争が起こり、また米軍司令官の一言がこの国のメディアに大きく取り上げられるようなことになる」と述べた。

 さらにその1カ月前(06年12月)に開催された民主平和統一諮問会議の常任委員会で「米国が『出て行く(米軍撤収)』と言えば、全員が気絶でもしそうな状況だ」「米第2師団が(後方に)退けば、誰もが死んでしまうと考えてぶるぶる震えながら怖がるような国だ」などとも発言している。

 米国は盧前大統領によるこれら一連の言動を利用し、04年には韓国の米第2師団に所属する4000人をイラク戦争に派遣した。

 米国はまた戦時作戦統制権の韓国への移譲に便乗して韓米連合司令部の解体を進め、休戦ライン周辺に展開する第2師団所属の米軍基地も平沢のキャンプ・ハンフリーズに統廃合することを決めた。盧前大統領の任期中に削減が決まった在韓米軍の兵力は1万2500人に達する。

 これに対し、盧武鉉財団は鄭議員の主張について「事実無根であり、完全な捏造(ねつぞう)だ」と反論している。

権大烈(クォン・デヨル)記者
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