ハイスクールD×D~紅蓮の錬金術師~ (人間花火)
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第九話~駒の特性~

「二度と教会に近づいちゃ駄目よ」

私や一誠が悪魔の仕事を開始して数日がたったある日の夜。とんでもなくご立腹な様子の部長が一誠に言い放ちました。ん~、怖い


なんでも、一誠は今日の昼頃に教会の関係者の人と会ったらしく、その人に連れられて教会に入るところだったらしいですよ。悪魔が教会入っちゃダメでしょ。そしてその事を部長さんに話したら、お怒りになっていました。当然ですね

「教会は悪魔にとって敵地。踏み込めばただじゃ済まないわ。教会に用事があるなら篠に頼みなさい。人間だから」

「え!?で、でもでも、私一応部長さんから少しですけど魔力もらってますよね!?言語能力とか!」

「それくらいなら大丈夫よ。それに、あなたがそんなところで死ぬタマ?」

「納得いきません……」

ぶつぶつ言う篠

「とにかく!一誠はあそこに近づいたらダメ!」

「は、はい!」

言われて背筋を伸ばす一誠

「あらあら。お説教は済みました?」

「おや、姫島先輩」

「朱乃、どうかしたの?」

部長の問いに朱乃さんは少しだけ顔を曇らせた

「討伐の依頼が大公から届きました」



はぐれ悪魔。

要は主を持たない下級悪魔

一誠が堕天使のドーナシークとか言うおっさんに勘違いされたのもこれらしい

つまり野良犬。いましたね。私の同僚でも軍部のやり方が嫌になって抜けだした人達が。



それを討伐するように上級悪魔さんから依頼されたらしいです。はあ、末端はどうしてこう血生臭い役割ばかり担わせられるんですかね。まあ私にとっては好都合。より強く、より信念を高く持った人達と闘えるのならそれで良い。外れならすぐに爆発させてしまえば良い訳ですしね。








◆◆◆

時間は深夜。暗黒に満ちた世界。ていうか私、軍人で本当に良かった。夜目が利くので暗中模索にはなりません。安心。
「……血の臭い」

塔城さんがボソリと呟きました。確かに。それに、久しく嗅いでいませんでしたねこの臭いは…。

一誠がガクブルしてます。まあ、ちゃんとした戦闘はこれが初めてですしね。無理もないでしょう。

「一誠、篠、良い機会だから悪魔としての闘いを経験しなさい」

おおう……それはえげつない……。

「マジっすか!?お、俺、戦力にならないと思いますけど!」

「そうね、それはまだ無理ね」

即答ですか。

「でも、悪魔の戦闘を見ることはできるわ。今日は私達の戦闘をよく見ておきなさい。ついでに下僕の特性を説明してあげる」

「下僕……ですか……特性?」



「『悪魔の駒イービルピース』。爵位を持った悪魔は人間界のボードゲーム『チェス』の特性を下僕悪魔に取り入れたの。下僕となる悪魔の多くが人間界からの転生者という皮肉も込めてね。まず主となる悪魔が『(キング)そこから『女王(クィーン)』、『騎士(ナイト)』、『戦車(ルーク)』、『僧侶(ビショップ)』『兵士(ポーン)』と五つの特性を作り出したわ。軍団を持てなくなった代わりに、下僕に強大な力を分け与えることにしたの。悪魔の間ではゲームにもなってるわ」



「ほう、ゲームですか。それは中々面白そうですね」

「じゃ、じゃあ部長、俺の駒は、役割や特性ってなんですか?」

「そうね、一誠は――――――」

そこまで言って部長は言葉を止めた



「不味そうな臭いがするぞ?でも美味そうな臭いもするぞ?甘いのかな?苦いのかな?」

不気味な声です

部長さんは、こちらに向けていた体を不気味な声のする方へ向き

「はぐれ悪魔バイザー。あなたを消滅しにきたわ」

ケタケタケタケタケタケタケタケタ……

異様な笑い声が辺りに響く。

そこには女性の上半身とバケモノの下半身を持った異形の存在がいた

両手に槍らしき得物を一本ずつ所持している

これは…大きいですねぇ。爆発させたらさぞ綺麗な花火になるでしょう



「主のもとを逃げ、己の欲求を満たすためだけに暴れまわるのは万死に値するわ。グレモリー公爵の名において、あなたを消し飛ばしてあげるわ!」



「こざかしぃぃぃ!小娘ごときがぁぁ!その紅の髪のように、おまえの身を鮮血で染め上げてやるわぁぁぁぁぁ!」

この台詞。聞いてるこっちも恥ずかしくなってきます

「祐斗!」

「はい!」

近くにいた祐斗さんが部長さんの命を受けて飛び出す。速いですね驚きました。優男なのに。え?私も?

「一誠、篠、さっきの続きをレクチャーするわ」

リアス先生の講義が始まりますね。ちゃんと聞いておきましょう。私も人間とはいえ部長さんの下僕です
からね

「祐斗の役割は『騎士(ナイト)』、特性はスピード。『騎士』となった者は速度が増すの」

部長さんの言うとおり祐斗さんが徐々に速度を増していきます。お~速い速い。回避能力も半端ないですね。攻撃が当たってませんよ

「そして祐斗の最大の武器は剣」

いつの間にか西洋剣らしきものを握っていました、というか見てるだけとか……つまらなすぎます。

「ぎゃあああああああああああああああああっ!」

バケモノの悲鳴ですね。両腕が一瞬にして切り離されています。うっわ。どす黒い血ですね。

「次は小猫。あの子は『戦車(ルーク)』の特性は」

「小虫めぇぇぇぇぇ!!」

ズズンッ!!

バケモノの巨大な足が塔城さんを踏みつぶ…してませんね。…なるほど……これが『戦車ルーク』の特性

バケモノは塔城さんを踏みつぶし切れていません

「吹っ飛べ」

完全にバケモノの足を持ち上げどかす塔城さんは空高くジャンプしバケモノのどてっ腹に拳を鋭く打ち込んだ。

ドドンッ!

巨大なバケモノの体が後方へ大きく吹っ飛びました。あんな小さな体にどこにそんな……今度彼女と力比べでもしてみましょうか

「最後の朱乃ね」

「はい、部長。あらあら、どうしようかしら」

倒れているバケモノに近づく姫島先輩

「朱乃は『女王(クィーン)』。私の次に最強の者『兵士(ポーン)』『騎士(ナイト)』『僧侶(ビショップ)』『戦車(ルーク)』、全ての力を兼ね備えた無敵の副部長よ」

「ぐぅぅぅぅぅ……」

姫島先輩を睨みつけるバケモノ。姫島先輩はそれを見て不敵に笑う。怖いですね

「あらあら、まだ元気みたいですね?それなら、これはどうでしょう?」

姫島先輩が天に向けて手をかざす

カッ!

刹那、天空が光り輝き、バケモノに雷が落ちた。

「ガガガガガガガガアガガッガガガガッガ!」

激しく感電するバケモノは全身丸焦げになる

「あらあら。まだ元気そうね?まだいけそうですわね」

カッ!

再び雷がバケモノを襲う

「ギャァァァァァァァァァァッ!」

……どんだけサディストなんですか?あの人。怖いです。逃げ出したくなります

「朱乃は魔力を使った攻撃が得意なの。雷や氷、炎などの自然現象を魔力で起こす力。そして何より彼女
は究極のSなのよ」

サラッと部長

見れば分かります!!部長さん!ていうかもうやめたげてください!バケモノのライフはもう0よ!

「怯えることはないわ一誠、篠。朱乃は味方にはとても優しいから問題ないわ。あなた達をとっても可愛いと言っていたし。今度甘えてお上げなさい。きっとやさしく抱きしめてくれるわよ。特にあなたのことは気に入ってるみたいだしね。し・の♪」

やめてくださぁぁぁぁぁい!なんか嫌です!いつもの姫島先輩じゃない!

まるで……そうまるで、母さんを見ているようです



「うふふふふふふ。どこまで私の雷に耐えられるかしらね?ねぇ、バケモノさん。まだ死んではダメよ? トドメは私の主なのですから。オホホホホホッ!」

ガカァン!!ガァン!!!

絶えることなく鳴り響く雷鳴

そして、姫島先輩が一息ついた頃、部長がそれを確認にて頷きバケモノのもとへ歩み寄った

「最後に言い残すことはあるかしら」

部長が訊く

「殺せ」

バケモノから発せられたのはその一言でした

「そう、なら消し飛びなさい」

冷徹な一言

ドンッ!

巨大なドス黒い塊が撃ち出され、バケモノは文字通り消し飛んだ

部長は息をつき

「終わりね、みんな、ご苦労さま」

これが悪魔の闘い。まだ派手さにはかけますが、これからもっと強い方も現れると思うとわくわくしますねぇ。 闘いは派手なほど良い。戦場が華やかになりますからね……と、そう言えば

「部長。聞きそびれてしまったことが」

「何かしら」

「…そうだ!………俺の駒の特性は?」

私の問いに、一誠が思い出したように訊く

ニッコリと微笑みながら紅髪の美少女はハッキリと言ってくれました

「『兵士ポーン』よ。一誠は『兵士』なの」

親友は一番の下っ端でした






ちなみに私は人間なので取り入れは不可能らしいです。orz


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