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 昨今の日中関係の悪化は、日中両国間での経済交流や文化交流など様々な分野に影響を及ぼしています。特に中国人訪日観光客はもちろん日本から中国への観光客の減少を招くなど、観光分野への影響は大きなものになっています。

 

 今回、古川知事が10月8日から10月10日までの日程で、上海市を訪問しました。

 この訪問の中で、知事は、現地関係者の声を直に聴くとともに、上海市内の主な観光地等の状況に触れ、知事が感じた「上海の今」を現地から県民をはじめ広く皆様に伝えます。

 

知事の上海現地レポート

10月8日(一日目)

■上海浦東国際空港到着

 写真:上海浦東国際空港到着 

 上海の空の玄関、上海浦東国際空港へ到着しました。ここ一年で数回降り立っていますが、いつもとかわった様子はありません。

 

■「ヨコオ牧場ミルンショップ」視察

 まずはじめに、ミルンショップを訪問しました。今回視察したお店は、佐賀県に本拠地を持つブランド「ヨコオ牧場」から、中国での販売権利を譲り受け同牧場の原料を使ったソフトクリームを販売されています。

 店舗は地下鉄駅ビル(天山路762号)にあり、通勤・通学客が多く利用しています。

 9月のデモの際には、一時的にお店を閉められたとお聞きしましたが、「ミルンのソフトクリーム」という日本語の看板が掲げられたショップでは、スタッフの方が忙しく働かれていました。

 

動画:ミルンショップを視察する古川知事

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 柴田総経理(社長)にお会いし、現在の状況や営業への影響についてお話をうかがいました。

 柴田総経理は、「日系の店が多いショッピングモールの中での営業ということで、今回デモが予定されていた数日間は店を閉めるという対応を行いました。その後、2、3日して動きが収まってきたということで、店を開け、でも何事もなくきょうまで至っています。残念なことに売り上げそのものが100パーセント戻ったということはありませんが、ビジネスをしていく上で、何か問題があるという状況ではありません」とお話され、思ったよりも影響は一時的だったことに安心しました。

 また、上海への観光についてお尋ねしたところ、「この店は上海にお住いの方向けのお店ですので、ここでの状況だけでは言えませんが、観光に行った先で何か問題が起こるという状況ではないと思います。そもそも、上海は伝統的な国際都市です。ですので、今回のデモのときにも日系の店が被害を受けるということはありませんでした。そこは、上海ならではということなのかもしれません」とのことで、国際都市ならではの上海の一面をうかがうことができました。

 次は、春秋航空本社を訪ね、王会長との面談に臨みます。

写真:ミルンショップ外観

 

 

■「春秋航空」訪問

 佐賀―上海線を週3便運航している春秋航空を訪問し、王会長にお目にかかりました。

動画:王会長との会談の様子 YouTubeロゴ

 本来なら書き入れ時であるはずの国慶節の連休が、昨今の状況で厳しい結果になっているという報告をされました。

 佐賀便は、高松便よりは高い搭乗率ではあったものの、本来これから本格化する秋の観光シーズンにおいて、特になかなか中国発の団体旅行客を見込むのが難しいということについてもお話がありました。そういう中ではありますが、週3便になってビジネスの利用も増えているということで、この便数の維持と発展が必要ということを申し上げ、王会長の方からもこの便数を維持し、いかに発展させていくのかということでお互いに知恵を出し合いましょうということで一致しました。

 春秋航空側からも、上海の状況は、旅行者にとって極めて安全だというお話もあり、安心して上海に来ていただきたいとのお言葉もありました。

 「イベントリスク」という言葉が現実のものとなった今年の秋ですが、これをしっかり協力して乗り越えることで、よりこの路線の認知度が高まり、利用が増えていくようなきっかけにしたいと改めて感じたところでした。 

 写真:春秋航空機体

春秋航空訪問を終えての古川知事の記者発表コメントはこちらから

 

 

■外灘/ナイトクルーズ

 上海市内を流れる黄浦江に面し、「バンド(Band)」とも呼ばれる外灘(わいたん)は、洋風建築が有名で、昼間よりも夜景鑑賞が人気です。普段から多くの外国人観光客で賑わうエリアです。

 

写真:クルーズ船からの夜景

 春秋航空での対談が予定時間をおしたこともあり、外灘(わいたん)は、残念ながら車窓見学のみになりましたが、ノスタルジックな美しい街並みを楽しみました。

 

 続いて、春秋航空便を利用したパッケージツアーでも紹介されている黄浦江をめるぐ「ナイトクルーズ」に乗船しました。

 オプショナルツアーとして人気が高いこのクルージング。ゆったり、上海の夜景を楽しむことができました。他に乗船されたお客様も外灘の美しい夜景を満喫されているようでした。

 

■一日目(10月8日)を振り返って

 有明佐賀空港から約2時間20分で上海に。約半年ぶりに訪れた上海で気づいたこと、感じたことをお伝えします。

動画:古川知事の振り返り

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 きょう一日目が終わりました。全体的な印象でいけば、(上海は)すごく安全、快適だということだと思います。

 あちこちに足を運び、見てみました。また、人の話も聞いてみましたけれども、上海という街は観光をするのに何の問題もないなという印象を持ちました。また、明日いろんなところに顔を出してみますけれども、きょうの感じでは非常に安心できるということになるんではないかと思っています。

 きょうの上海は、佐賀市よりも1度温度が高いくらいで非常にいい気候でした。夜は少し肌寒いくらいでしたけれども、とてもいい季節を迎えていると思います。

 ぜひともたくさんの人にこちらに来ていただきたいなと感じた一日目でした。

 

10月9日(二日目)

■三井住友海上火災保険(中国)有限公司

 今年5月に、佐賀県と国際取引支援に関する協定を締結した三井住友海上火災保険株式会社。これまで様々な業種の企業進出と事業継続の支援を手掛けておられます。反日デモが日系企業に与えた影響について伊藤総経理(社長)にお話をうかがいました。

 写真:会談の様子

 旅行については、上海は全く安全というお話で、うれしく思いました。

 普通に旅行するには、これまでと変わらないということや、暴動についての報道の影響などについてお話をうかがうことができました。

 上海は9月18日のデモのときにも、比較的整然とした形でデモが行われていたところです。昨日も申し上げましたが、上海は国際都市でありますから、そこに住んでおられる方は、そういう意識を持っておられるのではないかと思いました。 

 詳しくは、こちら(左の動画)をご覧ください。

 

動画:会談を終えて

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■上海市内を移動

 街の様子を見ながら南京西路を徒歩にて移動。その後、地下鉄2号線にも乗車しました。

写真:古川知事と上海デスク北村代表

 南京西路はファッションビルが立ち並ぶエリアということもあり、若者の姿が多かったように思います。上海デスク北村代表と、日本語でしゃべりながら、次の用務先へ向かいました。

写真:地下鉄での移動

  地下鉄2号線にて移動。車内は乗客で満員でした。

 

 

■福岡県上海事務所訪問

 2003年に開設された福岡県の上海事務所を訪問し、今の上海事情についておうかがいしてきました。

動画:福岡県上海事務所訪問

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 自治体間の交流事業やビジネスtoビジネスの展示会の最近の動きとしては、延期していたものをそろそろまたやろうかという話も出てきているということで、少し時間はかかるかもしれませんけれども、大きな流れで言えばよくなっていく方向ではないかというお話をうかがいました。

 また、この福岡県の上海事務所をはじめとする九州の上海事務所の方々と私たちは情報交換を常にさせていただいています。こうした情報網もきちんと使いながら、引き続き、最新の情報をお伝えしていきたいと思います。 

 

■豫園(よえん)視察

  次は上海で一番人気の観光スポットへ。春秋航空を利用したパッケージツアーには必ず組み込まれる観光地です。

写真:買い物を楽しむ観光客 

 豫園は明代の江南を代表する古式庭園で、中国人の方はもちろん、日本や欧米の方もたくさん訪れる人気のスポットです。

 また、豫園を囲むように広がる豫園商城では、多くの方が買い物を楽しまれるなど、観光地ならではの楽しい雰囲気でした。

 しかし、いつもは日本語も多く聞こえるところですが、日本人のお客様は少ない印象でした。

 日本のお客様が安心して訪れていただけるよう、現地の情報をしっかり発信していくことが大切だと改めて感じました。

 
 写真:豫園の様子

 

■田子坊(たこぼう)視察

  地元アーティストやブティック、デザイン会社などが集まる新しい観光スポット、田子坊へも足を運びました。

写真:田子坊を歩く様子 YouTubeロゴ

 みんな普通にショッピングや食事を楽しんでいました。ただ、残念なことにきょう私たちが回った限りでは、日本人の観光客は見ませんでした。

 私が今いる「+8(プラスエイト)」というところは日本の全国商工会連合会が中心になってつくった日本の伝統工芸に関する展示場のようなところです。日本の伝統工芸を代表するものとして、やきものが飾られていて、そのうち圧倒的多くが有田焼だったことに改めて驚きました。

 

 

10月10日(三日目)

■有明佐賀空港到着

 有明佐賀空港で記者からのインタビューを受け、今回の現地視察を振り返りました。

 写真:有明佐賀空港で囲み取材を受ける古川知事

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 今回の上海現地視察では、旅行者が行くような場所を実際に訪れたり、タクシーや地下鉄を利用したり、いろいろな人の話を聞き、上海は観光地として安全であると改めて思いました。中国は広いので、全てが安全であるとは断言できませんが、いずれにしても、上海についていえば、どうか安心してお出かけくださいと言えます。これから私たちも、旅行や出張を見合わせていた人や事業所などに、上海は安全だということを伝えていきたいと思います。

 また、これまで延期されていたビジネスの展示会や商談会などを再開させる具体的な日程調整が始まっているという話も聞きましたので、こうした動きに乗り遅れないようにしていただくことも必要かと思いました。

 

 

同行スタッフの現地レポート

出張に同行しているスタッフ(国際戦略G、観光課)が、10月9日(火曜日)の上海市内の観光地を視察しました。現地の状況を動画でレポートしています。

 

動画レポートはこちらから

 

 

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