米国の地方政府が初めて、旧日本軍従軍慰安婦の犠牲者を追悼する記念碑の建立に乗り出した。
ニュージャージー州バーゲン郡のキャサリン・ドノバン郡長は13日午前、郡庁所在地のハッケンサックにある郡裁判所前で記者会見し「地域社会が力を合わせ、ここに韓国人慰安婦の記念碑を建立する」と宣言した。費用は郡が負担し、年内に設置を終える予定だという。郡は州の下位行政区分で、バーゲン郡は90万人が暮らすニュージャージー州最大の郡だ。
米国で、地方政府が主体となり韓国人慰安婦の記念碑を設立するのは今回が初めて。米国には現在、2カ所に慰安婦記念碑が設置されているが、ニュージャージー州パリセーズパークにある碑は現地の韓国人団体が、ニューヨーク州ウェストベリーの碑は韓米公共政策委員会と光州市、同州ナッソー郡が共同で設立した。
特に、慰安婦の碑が置かれる郡裁判所前は世界史の重大な人権侵害問題に関する記念碑が設置される場となっており、より意義深いと評価される。同所には、米国の奴隷制度の犠牲になった黒人、ナチスに虐殺されたユダヤ人、トルコに虐殺されたアルメニア人、英国の収奪に苦しめられたアイルランド人をたたえる四つの記念碑が円形に置かれており、慰安婦の碑は5番目の記念碑として設置される。慰安婦問題をナチスのユダヤ人虐殺などと同レベルの歴史的人権侵害事件と規定した格好だ。
ドノバン郡長は8月から、バーゲン郡議会の議長と記念碑の建立問題を協議してきた。また、先週には元慰安婦が共同生活を送る京畿道広州市の「ナヌムの家」を訪れ、元慰安婦らと面会。帰国直後に急きょ記者会見を行い、記念碑の建立を発表した。
同氏は「こうしたむごい出来事があったことを伝え、忘れないようにすることで、二度と慰安婦のようなことが起こらないようにする」と、記念碑建立の趣旨を説明した。また「元慰安婦の女性たちと会ってみて、同じ女性でありながら自分が歴史をあまりに知らなかったことに気付かされた。つらい経験を思い出し、私に語ってくれた女性たちに感謝したい」と述べた。