【ミニ情報】手形・小切手を乱発していた「トランスデジタル」、捜査当局の事情聴取はじまる
本誌既報のように、簿外で手形、小切手を乱発していた疑いが強まっているトランスデジタル(後藤幸英社長)。すでに捜査当局もこの問題には重大な関心を寄せており、関係者らに任意で事情聴取を開始した模様だ。
そうした中、7月11日に発行を決議した新株予約権(MSワラント)のうち1億5000万株を引き受けていた神商(=左写真、東京・世田谷区)に絡む重大な事実が判明した。神商は7月29日に竹内健一、原山博幸、前野森幸の3氏の名義で5000万株(行使価格8円)、8月26日にはエス・エヌ・プロジェクト、神商、前野森幸、原山博幸の名義で1億株(同2円)、つまり総額6億円を三菱東京UFJ銀行赤坂支店のトランス社口座に払い込んでいたことになっている(注記=竹内、原山、前野の各氏はいずれも神商の役員もしくは関係者であることが登記簿謄本などから分かっている)。
ところがこの増資前に、トランス社は神商側に4億4000万円の小切手を切っていたことが複数の関係者の証言から判明した。しかも、そこには驚くべき事実が隠されていた。「実際に神商からトランス側に来た現金は3億円。利子や手数料などを名目に予め差し引いていたわけです。これだけでも月25%を超える暴利だが、さらに窓口になっていた峰岸(トランス社顧問とされる人物)が、1億8000万円を金融ブローカーKの所に色々と理由をつけて持っていってしまった。結局、この時、トランス側に残ったのは1億2000万円に過ぎなかったのです。何故このような融資を後藤社長以下の役員が認めたのか。普通の上場企業では考えられないことです」(同社の内情に精通する人物)
この神商のオーナーが永本壹桂氏であることは既に伝えた。同氏は「朝鮮大学校」(東京・小平市)の出身で、本名は「孫一柱」(ソン・イルジュ)という在日朝鮮人である。本誌の取材によれば、永本氏はかつては山口組系中野会(05年解散)の企業舎弟だったが、現在は山口組系F組の企業舎弟である。闇金融の世界では古くから知られた人物で、最近ではインデックス所有の学研株、サハダイヤモンド所有の田崎真珠株の流出事件などでその名が浮上した。永本氏を昔から知る人物は次のようにいう。
「常々、永本さんは自分を愛国者だと周りに言っている。日本人から巻き上げた金を北朝鮮に送金しているんだ、と自慢していましたからね」
詳細は別の機会に譲るが、こうした永本氏の〝北朝鮮コネクション〟にも捜査当局は注目している模様だ。いずれにしても、トランス社はさまざまな反社会勢力に食い潰された結果、倒産したことは間違いない。本誌は引き続きこの問題を取材し、レポートしていく予定だ。
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