リトアニア 原発巡る国民投票開票進む10月15日 8時49分
バルト3国の1つ、リトアニアで、日本の日立製作所が受注に向けて交渉している新しい原子力発電所の建設の是非を問う国民投票は、開票作業が始まり、日本時間の午前8時の時点で、原発の建設に反対する票が60%を超えています。
リトアニア政府は、2020年をめどに北部のビサギナスに新しい原発を建設する計画で、現在、日本の日立製作所が受注に向けて優先的に交渉を進めています。
この計画を巡ってリトアニアの議会は、国民の意見を反映させる必要があるとして、建設の是非を問う国民投票の実施を決め、14日、議会選挙とともに全土で投票が行われました。
開票作業は、日本時間の15日朝早くから始まり、選挙管理委員会によりますと日本時間の午前8時の時点で、原発建設に反対する票が63.65%、賛成する票が36.35%と反対票が多数を占めています。
一方、投票率は、国民投票が成立する50%を超えるかどうか微妙な情勢です。
リトアニアでは、ソビエト時代に建設された原発が3年前に閉鎖されたことで、ロシアにエネルギー源の80%を依存する状況になり、原発の建設計画を進めていますが、福島の事故後、国民の間で計画に反対する声が広がっています。
国民投票の結果に拘束力はありませんが、反対票が多数を占めた場合、建設計画が見直される可能性も指摘されています。
開票結果は、日本時間の15日午前中にも判明する見通しです。
原発巡る賛否大きく分かれる
新しい原子力発電所の建設を巡って、リトアニア国民の意見は大きく分かれています。
このうち首都ビリニュスの投票所で賛成票を投じたという男性は「新しい原発を作って雇用と電力の問題を解決してほしい。電気料金が安くなることも期待しています」と話していました。
また、女性のひとりは「私たちの子どもや孫が近隣の大国から独立していられるよう、エネルギーを確保するために賛成に投票しました。安全性の問題は、専門家が解決してくれるはずです」と話していました。
一方、反対票を投じたという男性は「原子力エネルギーは安全ではないと思います。また、原発を建設したからといって電気料金が安くなるとは思えません」としています。
また、反対票を投じたという別の女性は「核燃料をどのように廃棄するのか、環境汚染をどう防ぐのか、こうした問題が未解決のままです」と話していました。
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