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'12/10/15

広島の和菓子の歩み出版へ



 来年4月に開幕する全国菓子大博覧会(ひろしま菓子博)へ向け、広島市の菓子メーカーの社長2人が、広島の和菓子の歩みを本にまとめている。城下町から軍都へと移り変わった街の歩みに沿って、築き上げられた和菓子文化をたどる。

 2人は、広島市東区のにしき堂の大谷博国社長(59)と、西区のハイデルベルグの住田常雄社長(56)。8年前から、古文書を調べ、年配の同業者からの聞き取りを重ねてきた。

 これまでの成果によると、広島での和菓子づくりは、江戸初期から盛んになる。いまの本通り商店街(中区)近辺に和菓子店が31軒並んでいたという。

 下蒲刈島(呉市)に寄港する朝鮮通信使を菓子でもてなした記録もある。国を挙げた歓迎行事は、地域の技術を引き上げた。

 軍都となった明治期。全国から集まる兵士の保存食や土産品として、日持ちがよい柿ようかんの需要が増大。40店以上の製造所が軒を連ねたという。

 本は広島市中区である菓子博に合わせ、広島県生菓子工業会が出版する。2人は「菓子を通じて地域を見つめ直し、愛着を持ってほしい」と願う。

【写真説明】古文書を見ながら意見を交わす住田社長(左)と大谷社長




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