'12/10/15
シャレオ、賃料下げ赤字続く
広島市中区の紙屋町地下街シャレオのテナント賃料の低下が、運営する第三セクター、広島地下街開発(中区)の経営を圧迫している。空き店舗が近く2年ぶりにゼロになるにもかかわらず本年度、来年度とも赤字を見通す。店舗誘致のための賃料引き下げが収益を悪化させるジレンマに陥っている。
同社によると、現在空いている2区画に今月下旬、帽子店と女性用の衣料品店が出店する。同時期に飲食店1店が退店するが、11月上旬に別の飲食店が入る予定。78区画の店舗スペースで空き店舗の解消は2010年11月以来となる。
だが本年度は2400万円の純損失を予想。来年度も、店舗が全て埋まった前提で500万円の純損失を見通す。周辺の地価の下落、郊外店の増加や旧市民球場の移転後の人通りの減少などで、テナントの誘致のために賃料を下げざるを得ない状態にあるためだ。
11年度末の累積損失は65億円。今後、拡大が予想される。同時期の売上高は12億7千万円で、最も多かった01年度の7割弱の水準。純損益は2年ぶりに黒字を確保したが、隣接ビルがシャレオに接続したことに伴う特別利益の要因が大きく、赤字体質が続く。
同社は「集客力のある優良テナントを誘致し、14年度の黒字転換を目指す」としている。
【写真説明】近く空き店舗が解消する見通しのシャレオ(広島市中区)