【北野隆一】天皇、皇后両陛下は13日、東日本大震災で被災した福島県川内村を訪れた。東京電力福島第一原発事故による放射能汚染の除染現場を初めて視察したほか、自宅が旧警戒区域にあるため戻れず、仮設住宅で暮らす人たちを見舞った。いずれも福島第一原発から24〜25キロ。両陛下の福島県訪問は昨年5月11日以来。
両陛下は早渡(はやわた)地区で民家3軒の除染作業を視察。裏山の木を伐採したり、土を入れ替えたりする作業を見て、担当の村職員に「(放射性物質は)ほとんどセシウムですか」「芝を刈ると(線量が)下がりますか」と尋ねた。天皇陛下はジャンパー姿。「付近の放射能レベルは問題ない」として防護服は着なかった。
下川内地区の仮設住宅は今年6月完成。居住制限区域や避難指示解除準備区域とされた地域に自宅がある47世帯97人が暮らす。県内外を転々とした人も多く、皇后さまに「あちこちいらして大変でしたでしょう」と声をかけられた坂本ヤイ子さん(54)は「5回くらいです」と答えていた。