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【国際】

韓国 慰安婦→外相、北と「共闘」示唆 竹島→欧米メディア取材便宜

 【ソウル=辻渕智之】韓国の金星煥(キムソンファン)外交通商相は五日、旧日本軍の従軍慰安婦問題について、北朝鮮と共同で対応する可能性に触れ「一緒にできればよいと考えている。努力したい」と述べた。国会議員の質問に答えた。日韓の懸案に対し韓国政府は北朝鮮との“共闘”まで持ち出すなど強硬姿勢を一層強めている。

 ただ、金外通相は、北朝鮮側とどう協力するのか、具体案は示さなかった。韓国の野党議員によると、北朝鮮内にも約百七十人の元慰安婦が生存しているとされるが、実態は分かっていない。

 日本政府は一九六五年の日韓請求権協定の締結によって、元慰安婦への補償は解決済みとの立場だ。韓国政府は、二国間の問題を超えた「女性への人権侵害」と国際社会に訴え日本側の譲歩を引き出す狙いといえる。韓国紙によると、米ニューヨークの繁華街タイムズスクエアに三日、慰安婦問題で日本政府に謝罪を促す英語の巨大広告(縦・横十五メートル)が設置された。韓国の有名歌手らが費用を出し年末まで三カ月近く設置される予定という。

 また、韓国では慰安婦問題が解決しないことに反発した李明博(イミョンバク)大統領が、実効支配する竹島(韓国名・独島(トクト))に上陸して以来、領有権問題も過熱気味だ。

 韓国政府は四日、欧米メディアの要請を受け、七社の記者ら十二人を竹島に上陸させる便宜を図った。取材は日帰りで、移動には警察庁提供のヘリコプターを利用させた。

 米CNNテレビは「歴史的に日本よりも正当(な領有権がある)と知らせたい韓国政府の案内で上陸した」と放送。また、英BBCテレビは「この島は日韓間の歴史に残る未解決問題を象徴する」と中継した。

 両テレビとも「歴史」という言葉を使用。「純粋な領土問題」と強調する日本に対し、植民地支配に絡む歴史的な問題と主張する韓国の立場を“代弁”する形になった。

 日本外務省は「わが国の領土である竹島に勝手に取材の便宜を図ったことは遺憾だ」と韓国側に強く抗議。各メディアには「韓国の出入国手続きに従った竹島入域は、韓国側の管轄権に属するとの誤解を与えかねない」と、慎重な報道を求めた。

 

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