2005年09月25日

詳説・日本の情報機関part.7

テーマ:行政

寄せ集めCIA

 

 いままでも記事の中で、何回か内閣情報調査室(内調)について言及してきました。内調は、国内各情報機関とも深い関係を持つ特徴的な情報機関です。

 本節では内調についてもうすこし具体的に見て行きましょう。

 

 内調は世間で「国家公務員」と聞いてイメージするであろう省庁勤務の役人の姿とは異なり、内閣直属の機関です。

 内閣直属機関と言うと、さぞかし内調は強力な秘密機関なのであろうと一般には想像されているようですが、これもまた誤りで、実態は各省庁の寄せ集めの性格が強い組織です。

 

 内調に限らず、内閣の機関はどれも各省庁からの出向者の寄せ集めですが、ご多分に漏れず内調も警察庁・公安調査庁・防衛庁からの出向をメインとし、外務省、総務省、消防庁、海上保安庁、財務省、経済産業省からの出向者で職員の約半分を占めているのです。

 

 更に内調はⅠ種職員(キャリア)の採用を行っておらず、プロパーはⅡ種職員(ノンキャリ)で構成されています。この点からも内調という組織が独自に幹部を養成し、自立する意思がないことがわかります。

 そのため、内調の長である内閣情報官は代々警察庁出身者が当てられており、内調は警察の飛び地という性格も帯びています。

 

 時に日本版CIAなどと言われることもある内閣情報調査室ですが、実態は大分様相が異なっているようです。

 では、以下の図で内調の組織を具体的に見てみましょう。


ci

 上のように、内調は総務部、国内部、国際部・経済部・内閣情報集約センター・内閣衛星情報センターから構成されています。内外情報を含む一端の情報機関です。

 

 と言っても、せいぜい2~300人とされるその組織規模で、単独で十分な諜報活動を実施できるわけはなく、情報は他省庁や民間などから収集・集約しているとされます。

 具体的には、公開・出版されている情報や、出向を受け入れている警察庁・公安調査庁・防衛庁・外務省・海上保安庁などの官庁からの情報、JICA(国際協力機構)、JETRO(日本貿易振興機構)、JBIC(国際協力銀行)などの特殊法人から情報、委託外郭団体(※注12)からの情報、三菱商事・三井物産等の商社を筆頭とする民間からの情報がその収集対象です。

 
 官庁情報なかでも内調は特に防衛庁情報本部・公安調査庁との関係が深く、両者をかなりの程度、影響下に置いています。

 とはいっても、内調自身もまた、警察からの出向者にその中枢を占められており、防衛や公調も警察からの出向者を受け入れている現状に照らすと、内調が防衛・公調を支配しているというよりも、警察庁が、内調・防衛・公調を広範な影響下に置いていると表現するほうが適切でしょう。

 日本の情報機関における警察支配の状況が透けて見えます。 

 

スパイ衛星から世論操作まで

 

 国内部は国内情報の収集と対策に当たっており、情報収集部門として選挙班、政務班、政党班、労働班があります。また、同時に国内部はでマスコミ・世論情報の情報操作も行っているとされます。

 
 具体的には電通・共同通信などの政府と密接な関係を有する企業を利用したり、意図的に特定情報を記者にリークすることにより、各種世論誘導やキャンペーンを行っているとのことです。

 

 内調の世論操作活動が噂される最近の例として、韓流ブームが挙げられます。日韓友情年2005年実行委員会に電通の社長が加わっていたことから、「韓流ブーム」は外務省・内調の意向によって世論操作が行われたものと推測できるからです。(※注・13)

 親韓国キャンペーンはワールドカップ共催が決まった頃から人為的に作りだされてきたとする見解が以前から囁かれており、韓流の対価として、韓国国内における日本文化解放との取引があったという説もあります。

 

 その他にも、昨年国会議員の年金未納状況が相次いでリークされた事件では、リーク元は内調ではないかという見方があります。世論操作まがいのことはどこの官庁も行っていることですが、内調が時としてその中心を果たしていることは確かなようです。

 

 国際部は、商社班、交換班、朝鮮半島班、中国班、ロシア班、米州班、アフリカ・中東班、欧州班、東南アジア班、軍事班、特命班に分かれています。もちろん内調は海外での調査能力はありませんから、こちらでも必然的に他機関や企業の情報集めと、公開情報収集が活動の中心になります。

 そのため、時として内調は新聞を切り抜いているだけだなどと言われることもあります。

 

 といっても、国際部は防衛庁情報本部電波部との窓口であり、防衛の集めたSIGINT情報を持っています。さらに日本国内でCIAと最も緊密な機関は内調と言われていますし、エシュロンの日本側運用担当も今後ここになる可能性が高いと考えられます。なかなか侮れない情報力です。
 
 その他の部を見てみましょう。内調経済部は主に経産省や、財務省からの経済情報を集め、経済の側面から内調を支えています。経産省の経済情報には世界的に定評がありますが、内調は経産省から出向を受け入れているため、これにアクセスすることが出来るわけです。

 

 内閣情報集約センターは大規模災害時の情報収集や公開情報資料・各種報道の収集と整理などを担当しています。公開情報というと、スパイ小説などにかぶれた人には下らない作業のように思えるかもしれませんが、情報の世界では「知りたい情報の90%は公刊情報で得られる」とされており、各種出版物・報道の収集分析は情報機関の背骨に当たる重要な業務です。


 市ヶ谷にある内閣衛星情報センターは人工衛星の運営を担当しています。同センターは防衛庁色が非常に濃厚ですが、宇宙空間の平和利用の観点から内調所属になっています。

 

 こうして見て行くと、内閣情報調査室は情報のまとめ役としての性格が強く、事実上人事も警察庁の「植民地」であるなど、情報機関としての独立性はあまり高くありません。

 しかしながら、民主的に選ばれる「内閣」の機関であるという、「軍隊」や「警察」と比べた国民イメージの中立性が幸いし、政治的にやりにくい業務が専ら内調所管とされています。

 そのため、スパイ衛星運用や世論操作を手がけるなど、その工作はかなりの幅広さを持っており、そこに内調の際立った特徴があるといえるでしょう。


※注・12…財団法人世界政経調査会・東南アジア調査会・国際情勢研究会・国民出版協会・民主主義研究会などが知られている。これらは民間HUMINT組織の性格を持つ。

 

※注・13…韓流ブームの要因をこれだけに求めるのはナンセンスである。なぜなら、韓流ブームは台湾や香港など、日本以外のアジア諸国でも同時に発生していた世界的な現象だからである。
 

  

伏魔殿の情報機関

 

 外務省に、国際情報統括官組織という部署があります。「組織」とは聞きなれない名前ですが、これは昨年領事部の格上げにともなう組織改編で旧国際情報局が割を食って格下げを受けたからです。(※注・14)

 そのため、本組織の長である国際情報統括官は現在でも局長級ポストになっています。

 

 国際情報統括官組織は、外務省という強力な官庁に属しているため、警察庁の支配力が及ばない自立性の高い情報機関です。この自立性は警察優位の日本の情報機関の中で異色な存在です。
 

 本組織はそれぞれが「課」に該当する、四つの「室」から構成されています。

 第一国際情報官室は情報の収集に関する総括と、外国機関との情報交換担当。

 第二国際情報官室は、情報の分析に関する総括と国際テロ、大量破壊兵器の拡散問題、安全保障等に関する情報の収集、分析担当。

 第三国際情報官室は、東アジア、東南アジア、大洋州、南西アジア地域に関する情報の収集、分析、調査をする地域係。

 同じく第四国際情報官室は、欧州、中央アジア、米州、中東、アフリカ地域に関する情報の収集、分析、調査を担当する地域係です。

 
 外務省HPは国際情報統括官組織の業務を、 

 「種々の情報(衛星画像情報を含む)収集活動の強化を図ること、また、これらの情報に基づき、客観的・総合的観点から国際情勢を分析し、情勢判断を行うことが挙げられます。」

 としています。

 

 具体的には、国際情報統括官組織の情報収集は、第一国際情報官室傘下にあるラヂオプレスからの情報を含む、各種公開情報の収集、省内の地域課の情報や在外公館からの電報、内外情報機関や各国外務省との情報交換の3つがメインになっているとされています。


 外務省HPは更に同組織の存在意義について

 

 「外務省では、各地域局、機能局も担当案件の処理を通じて情報の収集分析にあたっていますが、本組織は日々の案件処理や政策判断からは距離を置いて、中長期的又は分野横断的分析を行い、政策担当部局とは違った角度から、総合的な情勢判断を行っています。」

 

 と説明しています。

 そもそも外交官とスパイの仕事はなかなか区別しにくいものです。(※注・15)実際、外務省には公調・警察・防衛を含む多くの情報系省庁の職員が出向しており、在外公館のアタッシュなどとして勤務しています。

 
 それゆえ、省内では一般の部署でも日常業務の一貫としてHUMINT的活動が行われているので、国際情報統括官組織はそうした活動で外務省の集めた情報を、ひとまずまとめる部署と表現するのが妥当かもしれません。

 と言っても、国際情報統括官組織は外務省別館の奥まった場所にあり、出入り口常時閉鎖の高度なセキュリティーが敷かれているので、その秘密性は他部署とは比較にならないのもまた確かです。

 

 なにはともあれ、外務省は安全保障・国際テロといった外事情報全般を広範に扱っていますから、国際情報統括官組織の実力はかなり高いと思われます。

 

 また、外務省では近年ではとくに中国・北朝鮮情勢に力を入れており、両国の情勢の把握に多くのエネルギーを割いています。


続きはこちら


 

※注・14…国際情報局は中曽根時代の1984年に設立された。初代局長は有名な岡崎久彦氏である。

 

※注・15…冷戦期には、東側外交官が大々的にスパイ行為を行っていた。外交官には外交特権があるので露見しても逮捕に至らず、派遣国に好都合であった。

 

↓More Information(もっと知りたい方へ)

http://musume80.exblog.jp/1939904/
http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/honsho/sosiki/koku_j.html

http://www.okinawa-culture.com/sub3-bunkatuusin/index.0412.html

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