2011-04-25 21:50:36 ihepの投稿

ドイツ気象局による放射性物質拡散シュミレーションからの1考察

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Wetterlage und Ausbreitungsbedingungen in Japan

コメント:


 前に示したアメリカ、フランスのシュミレーションと、今回のドイツのシュミレーションを見て、被災地の漁業従事者の「新しい」あるいは「当座」の「仕事場」の候補地を日本政府は確保すべきだ。


 非常に悲しいし、残念だが、「原発被災地」での漁業の復興は当面、非常に困難なのだから、彼らには「仮の仕事場」で仕事してもらうしかないではないか?

 もう「だめならだめ」という本音の情報を日本政府が提示することが重要だ。そこから、すべてが始まると思う。


 だいたい、「原発被災地産」を購入しようって掛け声だけは1部で盛んだが、やはり、残念ながら、悲しいけれど、一過性のようだしね・・・。


2011-04-21 23:57:17 ihepの投稿

母乳と放射線1

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 枝野官房長官は21日の会見で、福島第一原発周辺に住む母親の母乳に放射性物質が含まれていないか調査する方針を示した。厚生労働省が今後、具体的な方法を検討する。

 市民団体が20日、千葉県と茨城県に住む女性4人の母乳から放射性ヨウ素が検出されたと発表。最高値は3月29、30日に採取した千葉県柏市の女性の母乳で1キロ当たり36ベクレルだった。

 母乳について国の基準はなく、飲料水の乳児の基準では放射性ヨウ素は100ベクレル。枝野官房長官は「水の基準値を大きく下回っているので、過度な心配をしなくても大丈夫な状況と判断している。母親にとっては心配だと思うので念のため一定の調査を行う」と述べた。 (asahi新聞)


コメント;


 まず、本件の医学コメントは、次回にします。

気になるのは、枝野官房長官の「言葉と行動」の不一致。


たとえば、先日の被災地訪問でも、車から降りたのは、たったの5分。しかも防護服つけて。

しかし、相変わらず「安全」だという彼・・・。


こういうことから、私以上に、一般の方は、「やっぱり、危ないんだ」と普通に思うでしょうね。


2011-04-13 05:31:19 ihepの投稿

<レベル7の原発事故> 放射線による海洋汚染シュミレーションを見て・・・

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ニューヨーク・タイムズ紙に掲載された予想図(3月18日時点)
U.S. National Centers for Environmental Prediction (NCEP) Global Forecast System (GFS) というモデルによる予測


・フランスIRSNが公表した福島第一原発事故による海洋汚染影響予測図(4月4日時点)

「Simulation de la dispersion en mer des retombées atmosphériques à la date du 4 avril」とあるように、4月4日時点における大気中の放射性物質が海面に降下(フォールアウト)して分散する予測図。同じく単位は Bq/l(ベクレルパーリットル。1リットルあたりのベクレル値)。汚染水よりも濃度ははるかに低いが、より広範囲に拡散していることが確認できる。


コメント;


 これらのシュミレーションを参考にしながら、特に被災地の漁業関係者(プロ)は、今後、「どこの地域」で新たに生計をたてるか? そして、それを、政府はもちろん、国民は、どのようにバックアップするか? 早急に検討されるべきだ。

 だいたい、「私は、被災地産」を買うぞ!という方がおられる、ても、店頭に並んでもらわんと、どうしようもないし。

そればっかりの食生活では、たとえ、うまくても、飽きちゃう。

スーパーあたりで、「産地表示無し」とか「偽装表示」とか、やらかすところがでてくるだろうな。嫌な話だが。


 それから、事故のレベルを7とするって、だいたい、今は、人類が経験していない状況であり、レベル7どころではない。過去の基準設定が通用しないのだ。あらたに、基準(人々の行動基準も含む)を設定すべきと考えるのは私だけか?


2011-04-09 03:05:42 ihepの投稿

<科学ニュース> 天晴れ Japan !

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網膜組織:マウスES細胞から、立体構造で作成成功--理研
まざまな種類の細胞になる能力をもつマウスの胚性幹細胞(ES細胞)を使い、立体的な構造となっている目の網膜組織を作ることに、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)が成功した。これまで網膜を構成する個々の細胞組織は作れたが、それらが組み合わさった立体的(三次元的)組織が作成されたのは初めて。まだ治療法のない「網膜色素変性症」など、目が見えなくなる病気の再生治療につながる成果として注目される。
7日付の英科学誌「ネイチャー」に論文が掲載される。笹井芳樹グループディレクターらは、マウスのES細胞を特殊な培養液で増やす際、約3000個の細胞を直径約1センチのくぼみの中で集める(凝集する)方法を開発。網膜の元になるおわん形の「眼杯(がんぱい)」に似た組織(直径0・2ミリ)を作ることに成功した。さらに培養を続けると、光を受け取る「視細胞」や、情報を伝達する「神経節細胞」など数種の細胞が層状に規則正しく並ぶ網膜の立体構造が再現できた。笹井さんは「凝集する操作によって、細胞がもともと持っている組織形成のプログラムをうまく引き出せた」と話す。
理研では、高橋政代リーダーらによる別のチームが、iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った網膜の一部「網膜色素上皮細胞」を、悪化すると失明する「加齢黄斑変性症」の目に移植して進行を遅らせる研究に取り組んでいる。今後約2年で患者への臨床研究を始める予定だが、この病気などによる失明そのものを治すには、ひとつの種類の細胞移植だけでは無理で、12~15年は研究が必要と考えられてきた。今回の成果を受け、高橋さんは「網膜の組織ができたことで、移植への難関が取り払われた。臨床研究まで6~7年に近づいたのでは」と話している。(毎日新聞)



マウスES細胞から網膜組織 理化学研究所
あらゆる器官に成長できるマウスのES細胞から立体的な網膜組織をつくることに、理化学研究所が世界で初めて成功しました。
 理化学研究所の笹井芳樹さんのグループによりますと、マウスのES細胞を試験管に入れ網膜に変化するのに最適な環境で培養したところ、5日後ぐらいに細胞の塊の中から網膜になる部分が飛び出し、その後、真ん中がくぼんでカップ状の「眼杯」になりました。
その際、くぼんだ組織の内部には、6種類の細胞からなり、感じた光を電気信号に変えて脳に映像として伝える 「神経網膜」が自然に形作られていたということです。マウスの立体的な網膜組織をES細胞からつくることに成功したのは世界で初めてです。
 「わたしたちが目指している視細胞移植の最後の難関。すべて取っ払う成果」(研究チーム高橋政代リーダー)
グループは数年後にはヒトの網膜組織の作成を目指していて、網膜色素変性症などで失明した人に移植すれば見えるようになる可能性があるということです。(毎日放送)



コメント:


こういうニュースこそが、今の日本に元気を与える。

研究の進展具合については、想定以上のスピード・成果だ。

 今後、ヒトES/iPS細胞からの成功は「時間の問題」だろう。


 ヒトでの臨床研究の際に予期せぬ事態が生じ、「想定」よりも時間を食うかもしれない。それでも、10年以内に、(どんな症例でも、うまくいくというのは、さすがに考えられないが)、移植治療を受けた患者さんで「大成功」したというニュースを目の当たりにすることができるだろう。


 比較的、辛口の私にして、こう言わせてもらいます(笑)。

2011-04-09 01:50:45 ihepの投稿

<原発関連「人災」事故> 日本の在宅医療は「メルトダウン」10秒前

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 宮城県で震度6強を観測した東日本大震災の余震で、酸素吸入器を使用して自宅治療していた山形県尾花沢市の女性(63)が死亡していたことが8日、確認された。県警などによると、女性の酸素吸入器は、地震による停電のために使えなくなっていたとみられる。「震災や計画停電などで医療機器トラブルや深刻な医療事故が起こらないか」。こうした危惧は以前から医療関係者から指摘され、警鐘が鳴らされていた。厚生労働省も詳しい実態調査に乗り出すなど、事態の重さを物語っているといえそうだ。(MSN)



コメント;


 3月15日あたりから、医療関係者の中で、想定されていた最悪の事態が、ついに表面化した「人災」である。

大きな病院は自家発電でなんとか対応可能だが、「医療依存度の高い患者」に対する在宅医療の弱点がさらけ出された。


 停電下でも対応可能な、「医療依存度の高い患者の家」って現実的にほとんど無いだろうという危機管理の観点から、私は、上記の記事内にある「医療関係者」らとは、「一歩」違って、「在宅から病院へ」と言ってきた。

 特に大震災が起こった場合には病院受け入れ体制の困難も予想されるから、緊急時の病院ー在宅の「中間医療施設」の充実を、かなり前から提案してきた。


 病院医療より「在宅医療」のほうが、患者さんのQOL(生活の質)があがり、医療費の「節約」につながるという

大嘘のもとに、こうした提案は、あまり日の目を見なかった。前者については、病院と自宅で、統計学的に大差ありません。さらに、個々の患者さんの「お家」の事情もあります。たとえば、ぶっちゃけ、(患者さんの)家族がかなり負担に思っている患者さんを家に帰しても、残念ながら患者さんは決して幸せではありません。そして、病院医療より在宅医療のほうが1人あたりの医療費が「高く」つきます。・・・こうした科学的事実をもとに、「必ずしも在宅医療は良いことばかりではない。少なくとも、上記の危機管理を考えたバックアップ体制の充実を考えましょう。」などと言ってたら、「看護学」の偉~い(らしい)先生様(女性の看護の「在宅看護・医療推進派のおばちゃん」先生らは、いろいろ怒ります。そして、その「おばちゃん」らの旦那は、国や地方自治体の事務系役人の大物(キャリア)です。

 ・・・で、この事態だ。どう、責任をとるつもりなのか?お前らの地位と職の安定のために医療は、存在しないのだ!・・・と言うのも虚しい。

 私がヒトiPS細胞研究に日米間で注力している間に、日本では医療崩壊が残念ながら加速し、今、「医療融解」の段階か。。。

 

 上記の記事には出てない「多くの2次被災者」を、もうこれ以上増やさないために・・・と、思う。

2011-04-05 00:47:58 ihepの投稿

<科学ニュース> 遺伝子傷つけずヒトiPS細胞作製の報道と論文について

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<朝日新聞の記事から> 

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)の作製で、京都大の沖田圭介講師、山中伸弥教授らは、安全性を高めるためにウイルスを使わず、細胞の染色体に傷がつかない方法を開発した。2009年に米国で開発されたDNAを使う方法を改良し、効率を高めた。米科学誌ネイチャーメソッズ電子版に4日発表する。

iPS細胞は、ウイルスの一種を運び屋にして遺伝子を細胞に導入して作製すると、ウイルスが遺伝子を細胞の染色体に入り込ませるため、もとからある遺伝子を傷つけてがん化させる危険性がある。
米グループは、iPS細胞に必要な遺伝子を、染色体の外で複製する特殊なDNAに組みこむ方法を開発した。沖田講師らはこの方法を使い、組みこむ遺伝子の種類の組み合わせを変えたところ、ウイルスを使う方法よりは効率が低いが、米グループの方法より効率が上がったという。
京都大は、拒絶反応にかかわる遺伝子を調べ、多くの人への移植が可能になるタイプの遺伝子をもつ人の歯髄から、この方法でiPS細胞を作製した。日本人の2割に拒絶反応が起こりにくいと期待されるiPS細胞ができたという。

<読売新聞の記事から>

 様々な細胞に変化できる人のiPS細胞(新型万能細胞)を、従来の約30倍の効率で作製することに、京都大の山中伸弥教授と沖田圭介講師らが成功した。がん化する危険性も軽減できる手法だという。
科学誌ネイチャー・メソッド電子版に4日、発表する。
 iPS細胞は、普通の細胞に特殊な遺伝子を加えて作る。遺伝子の運び役として山中教授らは最初にレトロウイルスを使ったが、染色体を傷つける恐れがあることがわかった。
そこで、染色体を傷つけず、細胞内で短期間に分解される「プラスミド」というリング状のDNAに、四つの遺伝子を運ばせて、iPS細胞を作る手法が開発された。
た だ、従来の手法は、体細胞10万個当たりで得られるiPS細胞が0~2個と、作製効率が低いのが難点だった。そこで、様々な遺伝子を組み合わせて実験を繰 り返した結果、「L―MYC」など六つの遺伝子をプラスミドに運ばせると、10万個当たり平均で30個のiPS細胞ができた。これまで使われてきたがん遺伝子の一種は使わなかった。
得られたiPS細胞を神経細胞や網膜の細胞に変化させることにも成功した。

コメント;

大震災と原発事故のおかげで、明るい「科学の話題」が消滅していた昨今。
いつものiPS細胞ネタとはいえ、「新鮮」に思える。

 OCT3/4とp53shRNA、Sox2とKlf4、L-MycとLin28をEBNA1/OriP plasmidで導入されている。
確か、3月始めの日本再生医療学会にて、話されていたものだ。
 ただ、今回使用されたL-Mycは、c-Myc使用よりは、ずっとましな「がん遺伝子」ですが・・・。また、p53shRNAでp53を抑制してるから、ヒトiPS細胞樹立効率の向上に繋がったのでしょう(ただ、あんまり、安全性の観点からは、良くはないけどね。)
 あと、論文中には、この方法で創られたヒトiPS細胞(エピソーマル・ヒトiPS細胞)のクローン7つ中の5つからは、20継代までで導入遺伝子が無くなったけれど、残り2つのクローンでは、導入遺伝子が染色体中に導入されていることもわかったとある。
 あれ? じゃあ、まだ30%程度は、不完全なわけね(この方法だと、もうちょっと、マシかなと期待したが、まあ更なる精進が必要だということになるな)。全体的に、長期の安全性については、これから評価しなければならないと思う。

 「ただちに」、このヒトiPS細胞を移植された免疫不全マウスの健康に被害は生じませんが、長期の安全性は、まだわかりません。ましてや、ヒトでの安全性は、まだ、これからです。
 これ・・・なにやら、最近の原発事故問題のケースと言い方が似てますね・・・。

 なお、論文の著者欄を見たら、神戸の理化学研究所の高橋先生らの名前も入ってたので、
もしかしたら、今回の手法で樹立されたヒトiPS細胞で世界初の臨床研究って、ことになるのでしょうね。
「得られたiPS細胞を網膜の細胞に変化させることにも成功した。」と、上の記事にも、あるし。

慎重に臨床研究を進めてくださいませ(関係者は、十分、わかっておられるが)。

2011-04-03 23:30:53 ihepの投稿

<原発事故> 産学官による情報操作について・・・重要情報公表は決まって「深夜」に

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 今回の原発事故では、もう明らかに東京電力・政府・官界と大マスコミの間で、まさに第2次大戦中さながらの情報操作がなされている。


 たとえば、だいたい、決まって、真夜中遅くに(朝刊には間に合わない時間)、汚染情報や放射線に関する「重要情報」が「非常に小出し」に出されます。

 私は、これを「恐怖新聞」(昔、そういう心霊漫画がありました。)と呼んでいます


 こういうことをさせないために、米軍や諸外国からの超一流技術者を入れるべきだと、まさに事故のその日に、このブログでも紹介しました。こうすることで、チェック機構が働き、情報の隠蔽は、かなり不可能になるから・・・。


 iPS細胞研究の最初のころには「オールジャパン」体制をといわれました。

オールジャパンだけでは、今回の原発事故処理は明らかに、無理です。

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