2010-03-16 07:25:16 ihepの投稿

iPS細胞の現状解説記事に関する「コメント」

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 先週は新型万能細胞(iPS細胞)を巡る関西発の報道が目立った。奈良県立医科大学はマウスのiPS細胞から腸管を作り出し、京都大学では耳の神経を成長させること成功した。京大の山中伸弥教授が作り出したiPS細胞は再生医療の切り札となる可能性を秘める。今後の成長が期待できる分野だけに、iPS細胞を巡る研究開発競争は世界的に激しくなっている。

 18日から広島市で始まる日本再生医療学会を前に、関西でのiPS細胞研究の成果が相次いで報道されている。10日には奈良県立医大の中島祥介教授らがマウスのiPS細胞から腸管を作ることに成功したと発表した。臓器を作ったのは世界で初めてという。実験には山中教授と同じ手法で作ったマウスのiPS細胞を使った。通常のシャーレで培養し、腸に特徴的な「ぜん動運動」が起きているのも確かめた。炎症性腸疾患など発症原因の解明などに役立つほか、将来、臨床応用できれば、小腸移植などが実現できる可能性もある。8日には京都大学の伊藤寿一教授らがiPS細胞から神経のもとになる細胞を作ってマウスに移植し、耳で働く聴神経の細胞に成長させることに成功したことも報じられた。
 iPS細胞は、皮膚細胞などに数種の遺伝子またはたんぱく質などを入れて培養して作り出す。体内のあらゆる組織や細胞に成長する能力を持つことで、臓器を再生して移植することが可能となるほか、体内から取り出すのが難しい組織を実験室で再生することでこれまで発症メカニズムが分かっていなかった病気の解明や新薬の開発などにも役立つと期待されている。2006年に山中教授らのグループが4種類の遺伝子を入れて世界で初めてマウス細胞を使って作製に成功し、07年にはヒト細胞でも成功した。従来、万能細胞と呼ばれている胚(はい)性幹細胞(ES細胞)は生命の芽生えである受精卵を基に作るため、生命を操作するという倫理的な問題があったが、iPS細胞はこの問題を解消できる。ただ遺伝子そのものや遺伝子を運ぶために使うウイルスががんを引き起こす可能性があり、安全性を高める研究は内外でし烈を極めている。

 山中教授らもすでに3つの遺伝子だけでiPS細胞を作ることに成功しているが、欧米でも相次ぎ同様の成果が挙がっており、今年1月には米ベンチャー企業のアイピアーイエン(カリフォルニア州)が、3つの遺伝子を使う作製法の特許が英国で成立したと発表している。同様の特許は京大も出願しているが成立したのは国内だけ。企業のiPS細胞の応用戦略に影響を及ぼす可能性もある。また遺伝子を使わず、より安全性が高いとみられる作製手法も開発が進む。09年4月にマウスのレベルで、米国の研究所が遺伝子の代わりのたんぱく質を細胞に入れてiPS細胞を作製したと発表。先月になって米ハーバード大学がヒトの細胞に化学物質だけを入れることでiPS細胞を作ることに成功した、と発表した。化学物質だけで作る方法を公表したのは世界で初めてだ。

 世界との激しい競争に、以前、山中教授は「日本は1勝10敗」と評した。国の支援や研究者間の連携が取れていないことを嘆いたものだ。せっかく日本が先鞭を付けた分野での苦戦に、政府もようやく支援を強めはじめた。文部科学省は08年度に45億円、09年度には145億円をiPS細胞研究に投じ、早ければ5年以内に神経や目、心筋などの分野でiPS細胞を使った臨床研究を始めると表明した。この9日には09年度補正予算に盛り込んだ1000億円の科学者個人を対象にした先端研究助成基金のうち、山中教授には1件当たり最高額の5年間で50億円を配分することも決まった。

 研究拠点も整備が進む。京大は4月1日に「iPS細胞研究所」を吉田キャンパス(京都市左京区)内に開設する。新たに完成した研究棟は日本のiPS細胞研究の中核施設となるもので、地上5階、地下1階、延べ床面積は1万1943平方メートル。建設費は46億8000万円で、うち43億円は文科省が出した。主任研究員17人を中心に約120人のスタッフでスタートする。2年前にできた「iPS細胞研究センター」を研究所に格上げしたものだが、オープンラボ形式にすることで内部の人材だけでなく他の機関の研究者との交流を促す。関西に集まる再生医療の人材を広く活用する狙いがある。所長に就任する予定の山中教授は「iPS細胞研究の世界最高の拠点にしたい」と世界との競争を視野に意気込んでいる。

 関西が地域として、今後の成長分野にと期待するバイオ産業。その中でもiPS細胞を中心とした再生医療は有望な分野だ。研究面で国際競争を勝ち抜き、いち早く産業化できればその恩恵は計り知れない。地域を挙げての体制がようやく整った今こそ産学官がいっそうの力を合わせる時ではないだろうか。(日本経済新聞)


コメント:


 iPS細胞研究がらみのネタは、関西と関東では、扱いが若干違う。

全国紙とはいえ、新聞各紙の記事内容にも、温度差がある。

研究発表報道でも、かなり違うことが、ままある。

だから、私はネットでまとめて、眺めるようにはしている・・・。


 さて、上記の記事。

関西、あるいは日本の浮上の鍵を握ると言われて久しい「バイオ産業」。

21世紀初頭から、ずっと言われている。

バイオの成果に関するネタ(シーズ)は、結構でているが・・・。


 でも、それで経済や社会が「浮上」したのか?・・・特に関西。

ますます、沈滞しているようにしか見えないけれど・・・。


 日本の誇る「クルマ」産業が、トヨタを筆頭に「あんな調子」だから次は、バイオ産業が日本を引っ張る・・・というのは、いささか現実的ではないように思う。たとえ、iPS細胞をもってしてもだ。。

それから「産官学が今こそいっそうの力をあわせて」・・・って、まあ、そのように記事を総括するしかないのだろうが、この「産官学」が「力をあわせる」と、ロクなことはなかったな(笑)。一般の生活者にまで、恩恵が及ぶことが「あまりなかった」という意味で。


 むしろ、「人々の英知を結集して・・・」のほうが、いいと思いますがね。


 総じて私は、バイオ産業は、日本社会を経済的に引っ張るというよりは、むしろ「支える力」の1つになれるようなら、大成功だと見ている。


 ところで、関西、いや日本のご期待の「iPS細胞」・・・。

ちなみに、上記記事中のハーバードのヒトは、バリバリの「関西人」だよ(笑)。

そりゃ、現在の棲家は、東京ーボストンだけど。

 えっ、なんで知ってるの?・・・さあ、なんでやろ?(笑)。

2010-03-14 19:35:30 ihepの投稿

ドブに捨てられる国民の血税;輸入ワクチン行き場なく 新型インフル一段落、期限切れも

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国内での新型インフルエンザ流行が一段落する中、政府がスイスのノバルティス社と英国のグラクソ・スミスクライン(GSK)社から計1126億円で買い付けた輸入ワクチン9900万回分が行き場を失っている。

 昨年10月の売買契約締結の発表時には2回必要とされていた接種は、その後、1回で効果ありとして回数が変更された。この時点で国産の5400万回分と合わせると全国民分を超える量が確保され、ワクチンが余ることが確実になった。厚生労働省は現在も、メーカーと余剰分の解約に向けた交渉を続けている。

 有効期間が製造から6カ月とされるノバルティス社製のうち、2月3日に出荷予定だった234万回分は、引き合いのないまま今月末に使用期限を迎える。これまでに出荷されたのは、山形など4都県から発注のあった136回分のみだ。

 GSK社のワクチンは有効期間が18カ月と長いが、販売単位が1箱50回分と大きいため「一度に使い切れない」と医療機関から敬遠され、今シーズン中の出荷のめどは立っていない。

 厚労省のまとめでは、1月末までに国産ワクチン接種を受けた人は約1800万人。国産の需要も急減している。



コメント:


 まさに、一気に、1126億円も、国民の税金がドブに捨てられたわけだ!

私は、科学的根拠に基づいて、ちゃんと公にも、ここでも提言してましたけどね・・・。


次のやつでも、また同様のことを繰り返すんだろうな・・・。



2010-03-12 12:46:35 ihepの投稿

死亡補償金は(たったの)最大3300万円=新型インフルワクチンの副作用救済-厚労省

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 新型インフルエンザワクチンによる副作用で健康被害が出た場合の救済について、死亡時の補償金を最大約3300万円に増額する方針を厚生労働省が固めたことが11日、分かった。同省は新型ワクチンの接種を円滑に進めるため、予防接種法を改正し、補償額を増やすとしていた。
 政府は12日にも予防接種法改正案を閣議決定し、近く今国会に提出する。(時事通信)


コメント:

 このブログで再三指摘してきたように、何の良い結果をもたらすどころか、健康な人を死に至らしめたケースもある「新型インフルエンザワクチン」。

 リスクベネフィットを考えても、あまりこのワクチンは推奨すべきでないと言ってきた私の発言は、現時点で、いかが評価されますでしょうか?

 それにしても、この場合で、落とさずとも良かった命の値段が、3300万円か・・・。

一連の評価は、あなた方にまかせるわ。

 まっ、ちゃんと最前線の臨床に携わり、研究(基礎・臨床)を生業としている者の意見は、貴重でしょ?
 

 なお、そろそろ、次の「ハイブリット」が来そうだ。
本件については、また改めて書くことにしよう。
2010-03-12 02:07:57 ihepの投稿

人間のiPS細胞、体外培養で遺伝子異常

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人間のiPS細胞(新型万能細胞)を体外で培養し続けると、遺伝子に異常が起きることを、

小川誠司・東京大特任准教授らが突き止めた。

体に移植すると拒絶反応やがんにつながる恐れもあり、

再生医療の実現に向けた新たな課題になりそうだ。


19日、広島市で開かれる日本再生医療学会で発表する。


iPS細胞の培養は通常、1~3日ごとにシャーレから一部の細胞を取り出して別のシャーレへ移す「植え継ぎ」を行う。小川准教授らは、京都大や東京大で別々に作製された計42株のiPS細胞の遺伝子を解析。平均20~30回、最短で5回植え継ぎをした12株で一部の遺伝子が増えたり、なくなったりする異常が起きていた。

人間の体には異常な細胞を取り除く仕組みがあるが、シャーレでは生き残り、増えてしまうらしい。小川准教授は「iPS細胞は何度も作り直したり、凍結保存したりできるので、データを積み重ねれば、より安全なものを選んで使えるようになる」と話している。(読売新聞)



コメント:


 大変重要な研究です。


 「日本」では、マウスiPS細胞由来の「腸管」作製で盛り上がっているようだ。

繰り返すが、そういう成果が臨床で使い物になるどころか、基礎研究のツールとしても有用なものになるためには、高品質なヒトiPS細胞の確立が絶対条件なのです。


 その意味で、上記の研究は重要な知見です。

今後、培養条件の最適化や高品質なヒトiPS細の凍結保存方法の更なる改善がますます重要です。


 







2010-03-11 05:13:33 ihepの投稿

「腸すげえ(笑)」のか?!・・・iPS細胞から腸管…奈良県立医大 マウスで成功

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 iPS細胞(新型万能細胞)から、実際の腸のようにぜん動運動をする腸管を作製することに、奈良県立医科大の中島祥介教授と植田剛医員らの研究グループがマウスの実験で成功した。iPS細胞から器官を作り出した例は初めてという。

 グループは、マウスの皮膚から作ったiPS細胞を球状に培養。粘膜やじゅう毛、筋肉、神経を伴った管状の組織(直径約2ミリ、長さ約5ミリ)ができた。物を絞り出すように運ぶぜん動運動を1分間に10回程度行っている様子が見られ、腸管の運動リズムを調節するペースメーカー役の細胞も確認された。

iPS細胞からは神経や筋肉など、様々な細胞を作れるが、立体構造を持つ器官にまで変化させるのは難しい。グループは、同じ万能性のある胚(はい)性幹細胞(ES細胞)で培った人工腸管作製技術を使い成功させた。

植田医員は、「今後は患者のiPS細胞から腸管を作り、クローン病などの原因不明の炎症性腸疾患や、先天的な腸の運動異常症の発症メカニズムの研究に役立てたい」としている。

成果は欧州の学術誌に掲載され、18日に広島市で始まる日本再生医療学会でも発表する。(読売新聞)


 コメント:


 これ、昨日は、結構、大きく報道されていたね。


 「腸すごい」(笑)と、消化器が本業の私としては、そんなシャレを軽くはいえない。

とても興味深く、面白い研究なんけどねえ・・・だからこそ、軽くはいえない。


 まあ、ヒトiPS細胞から、同様のことができたとしても、それを利用したクローン病などの疾患メカニズムの解明は、一筋縄では、いかないだろう。ましてや小腸移植はなあ・・・。いや、それほどまでに難しいのですよ「腸」は。腸難しい(笑)。

 その前に、癌化リスクが極限まで低い、高品質なヒトiPS細胞の樹立・確定が先決だけど・・・。そうでないと、基礎研究でも臨床でも、腸を扱うならば、バイアスがかかり過ぎる。


 ところで、クローン病患者さんは、喫煙者のほうが、禁煙者よりも多いのです。

他の病気・疾患とは、完全に真逆なのは、わかりますよね?


 この理由の1端をわれわれは解明してあるが、このリサーチツールを「うまく」工夫して使えば、もう1歩、面白いことができるかな・・・と期待してみる私。


 あっ、またここでも、「研究ネタ」を書いちゃった(笑)。

まっいいや( ´艸`)

2010-03-10 01:11:58 ihepの投稿

「最先端研究開発支援プログラム」の金額と格

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  30人の研究者に総額1000億円の研究資金を配分する「最先端研究開発支援プログラム」について、国の総合科学技術会議(議長・鳩山由紀夫首相)は9日、各研究者に配る金額を決定した。配分額は13年度末までの実質4年間で1課題につき18億~50億円と、研究者ごとに大きな差がついた。同プログラムは前政権が創設、当初は1研究者につき30億~150億円の予定だったが、政権交代を経て大幅な減額となった。

配分額が最も多いのは再生医療研究の山中伸弥・京都大教授と、高性能電子顕微鏡開発の外村彰・日立製作所フェローの50億円で、2人は申請通りの額が認められた。額が最も少ないのは、血管を収縮させ高血圧を起こすたんぱく質「エンドセリン」の発見者、柳沢正史・米テキサス大教授で18億円。40億円台は3課題、30億円台は17課題、20億円台は6課題、10億円台は2課題--だった。

配分額の差について内閣府の津村啓介政務官(科学技術担当)は「研究の優劣ではなく、特徴や経費の内容などを1件ずつ精査した結果だ」と説明した。

主な配分額は次の通り。横山直樹・富士通研究所フェロー(グリーン・ナノエレクトロニクス)45億円▽田中耕一・島津製作所フェロー(次世代質量分析システム開発など)34億円▽岡野栄之・慶応大教授(神経基盤の遺伝学的解析など)30億円▽審良静男・大阪大教授(免疫制御法研究など)25億円。(毎日新聞)



コメント:


 山中先生は、満額の50億円か。国策iPS細胞の面目躍如だが・・・。


 山中先生より、少し前の「若手研究者の憧れの1人」であり、ノーベル賞候補で、しかも、彼の発見を元にした薬(肺性高血圧症に対する薬)までできている「柳沢先生」には、18億円。

 さらに、山中先生と、ともに、日本在住でノーベル生理・医学賞候補の最有力者である「審良静男・大阪大教授」は25億円・・・。


 上記の結果は正直、見ていて、あまり気持ちのいいものではなかったな。


 まっ、われわれは「若手」なんで、これから始まる「最先端研究費・若手枠」などの研究費獲得レースのうち、1つでも当たればいいや♪


2010-03-09 01:25:12 ihepの投稿

薬害防止へ第三者組織に権限付与 厚労省、提言受け設置へ

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 薬害の再発防止と薬事行政の在り方を協議する厚生労働省の有識者検討会(座長・寺野彰独協医大学長)は8日、医薬品行政を監視する第三者組織に、行政機関に対し適切な措置を求めて勧告したり、資料提出を命じたりする権限を持たせることで合意した。

 検討会は今月末に最終提言をまとめ、長妻昭厚労相に提出する。厚労省は今後、第三者組織の早期設置に向け本格的な検討を進める。

 検討会によると、第三者組織は国家行政組織法に基づいて設置され、薬害の被害者や医師、薬剤師、法律家ら10人以下で構成。国の薬事行政全般のほか、個別の医薬品の安全性も監視する。

 具体的には(1)医薬品の製造承認や副作用について厚労省などから報告を受ける(2)安全性が疑わしい場合、厚労省や新薬の承認審査を担う独立行政法人に資料の提出を命じる権限を持つ(3)行政機関に依頼し、製造業者や医療機関が持つ情報を収集させることができる-としている。

 第三者組織から勧告や提言を受けた行政機関側は適切な措置を講じた上で、結果を通知するよう義務付けられる。

 第三者組織は厚労省内に設置される見込みだが「あらゆる方策を講じ、中立公正に監視評価機能を果たせるようにするべきだ」としている。(共同)



コメント:


 薬害オンブズマンなどのNPOが長年、このような趣旨で活動されておられるが、

こうした「第3者機関」を厚生労働省内に創るというのが腑に落ちない。


 結局、「自分で創った試験問題(模範解答つき)の解答を試験室で書き写す」ようなことになるではないか。


 まあ、天下りポスト(官僚・薬学系学者の)を合法的につくろうという試みと勘繰られても仕方ないぞ。



2010-03-08 01:42:43 ihepの投稿

RSウイルスは「元気」なようだ・・・

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 新型インフルは、1部の県を除いて減少の一途をたどり

(7県くらいはまだ、増加している)、

 季節インフルは、この時期ですら新型インフルに完全に押された形である。


 一方、RSウイルスは、依然流行中。


 特に乳幼児を育てているご家庭では、当分の間は、

要注意。乳幼児では肺炎を起こすなど重症化する危険性もあるから。

 

 なお、例年よりは、マシとされている「花粉症」だが、周りには多い。

「いつもに比べれば、症状も少しは楽に思える」らしいが・・・。

2010-03-07 13:29:59 ihepの投稿

慶応大教授ら心筋細胞増殖に成功 再生医療へ前進

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 新型万能細胞(iPS細胞)や胚性幹細胞(ES細胞)から作った心筋細胞に、顆粒球コロニー刺激因子(G―CSF)という物質を加えると、心筋細胞が非常によく増殖するとの研究結果を、慶応大の福田恵一教授と下地顕一郎助教らが5日付の米科学誌「セル・ステム・セル」電子版に発表した。

 心筋梗塞など重症心不全の患者に対する心筋細胞を使った再生医療の実現に向けて一歩前進としている。

 福田教授らは、ES細胞に特定のタンパク質を加えると心筋細胞に効率よく分化することを解明していたが、その際によく働いている遺伝子があることに注目。妊娠10日目のマウスの胎児を調べると、心臓でこの遺伝子がよく働き、G―CSFが多く分泌されていた。

 G―CSFが胎児期の心筋細胞増殖に深く関与していると考え、サルのES細胞やヒトのiPS細胞から心筋細胞を作る際にG―CSFを加えると、従来に比べ数十倍程度、心筋細胞を増やすことができた。

 G―CSFは、骨髄を刺激して白血球を多く作るようにする作用が知られ、抗がん剤治療で白血球が減少した場合などに使われている。(共同通信)



コメント:


 G-CSFが抗がん剤治療のブレイクスルーとしてもてはやされはじめたときって、それほど昔じゃないですけどね。そのときは、こんなことに使えるとは誰も思ってなかっただろう。でも、今や、私なんかですら思いつくのだから・・・時代だねえ。


 皮膚繊維芽細胞由来で、センダイウイルスで3因子で樹立したヒトiPS細胞から心筋細胞に分化誘導させる際にG-CSFをふりかけて心筋細胞を増やして、それらを細胞シートにのせて、重度の心臓疾患を誘発させた犬あるいは、もう、サルで実験してみたら?・・・日本の循環器・心臓血管外科の先生方?



2010-03-06 00:51:52 ihepの投稿

DJ先生…手術支援ロボットの「お値段」♪

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 DJ せんせいです♪


さて、コメントいただきました・・・めったにきませんが(笑)。


先日の「手術支援ロボ」のダビンチ君のお値段はいくらと?


 米国では、だいたい今のところ1台につき100万ドルから170万ドルまでが「相場」とされています。


 なんで、こんなに幅があるんだーーーと思われるでしょうが、自由主義市場下での「交渉」(病院ー業者間)により、生じるのです。私の知ったことではありません。


 日本では、おそらく1台、1億3千万円前後の攻防になるのではと予想されます。

(消費税は、各自で計算してください。)


 数十年前のCT導入の時以来、日本の「高額医療機器」の購買意欲は盛んです。今でも、CT・MRIの保有台数はダントツの世界一です。

 ・・・で、問題なのは、地方の病院では、これらが事実上、埃をかぶっていることです。医療経済的な観点から「適正配置」が望まれますって、10年前から言っていますが、なおりません。

 それと、医療機器全般にいえることですが、(日本と、諸先進国間での)内外価格差の問題は、複雑な日本の「流通経路」のお陰で、まだまだ、いかんともしがたいですね。

 

 まあ、今回も、この大不況の最中、なんだかんだいって、導入する「日本の大病院」は、あるでしょう。美味しい商売ですね・・・J・Jさん。


 それではーーー♪

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