iPS細胞;米国の「戦略」>>>日本の「戦術」・・・米国立衛生研、iPS細胞センター新設へ
テーマ:ブログ米国最大の医学研究機関、米国立衛生研究所(NIH)は25日、「iPS細胞(新型万能細胞)センター」を新設すると発表した。
今年9月までに、300万ドル(約2億7000万円)をかけてメリーランド州ベセスダのNIH本部構内に研究室を設置する。10月以降、臨床応用に向けた予備研究を始める。
様々な組織に分化するiPS細胞を使えば、画期的な治療法を開発できる可能性がある。
山中伸弥・京大教授が最初に作製に成功したが、その後は国際的な競争が激化しており、米国も世界水準の研究拠点を設けて再生医療の実現を急ぐ。
フランシス・コリンズNIH所長は26日、ワシントンで講演し「戦略的な投資で、新しい科学の知識を実用化に結びつける」と話した。(読売新聞)
コメント:
上記の記事は、冒頭から間違っている。世界最大と修正が必要。
米国NIHが300万ドル・・・案外、「異常なほど」少ないというのが私の感想だ。
日本の研究者の皆さんは、多いと思っているだろうが・・・。
ちなみに、これは、ほんの「初期投資」だから。
たぶん、この初期のお金は、NIHが「とりあえずの」iPS細胞専用の研究費として、NIH構内に研究室を設置して(というか、構内の空き部屋を整備して)、全米にRFA研究として研究者を公募・採択して終わりだろう。そして、それに採択されるのは、ハーバード大学、MIT、UCSF、ウイスコンシン大学などの超強力なところに所属の研究者。ヒトES細胞も自由に使え、iPS細胞で多くの研究実績を積んでいるところだ。。
ちなみに、それらの研究機関には、すでに政府やら、民間やらから、数百億ー数千億のお金が配分されており、米国NIHと、それらの各研究機関との間での有意義な「共同研究」が加速するだろう
しかしまあ、なぜ、今、この時期にNIHの所長が、わざわざ、こういうことを公表したと思う?「金」と「名誉」には、ことのほか執着心のある、コリンズ所長が(笑)。
日本じゃ、誰も気づかないのかな??
このことと、最近「絶妙のタイミング」で成立したヒトiPS細胞関連の米国「アイデア特許」と「英国特許(これも事実上、米国ベンチャー企業のだから、米国のようなもの)」とは無関係では、ないのですがね・・・。
まっ、これで、日本が所有する「iPS細胞」の基本特許など、もはや「紙くず」同然にまでされたと、コメントしておくわ。
日本政府は、NIHに、能力のある人間を、税金を使って送り込め。
むしろ、できれば、幹細胞研究者だけではなく、化学、情報科学に長けた人材を。
京大CiRA(iPS細胞研究センター)だけに、なんでも、かんでも、すべてのツケをまわすような日本の政策は、もはや、合理的ではない。
1人の人間、1つの小さな組織で、やれることには限界があることくらい、社会人やってりゃ、わかるだろう?