厚生労働省は17日、新型インフルエンザの国産ワクチン接種を受けた長野県の80代の女性が、接種後に持病の間質性肺炎が悪化して死亡したと発表した。新型ワクチン接種後の死亡事例の報告は4例目。
厚労省はワクチン接種が死亡の原因ではないとみているが、専門家の意見を踏まえて評価する。
厚労省によると、酸素を吸入しながら自宅で療養しており、10日午後1時ごろ、主治医が往診してワクチンを接種。同日深夜になって女性が廊下で倒れているのを家族が発見し、救急搬送したが、間質性肺炎の悪化で死亡したという。
女性は10月に、季節性インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンも接種していたが、副作用の症状はみられなかったという。(47News)
コメント:
この記事の表題のように、やはり現状では、このように、なってしまっている。
新型ワクチン接種と死亡との直接な因果関係は、少々、立証は困難でしょう。
ただし、今回の接種後死亡の4例は、確か、いずれも基礎疾患を有していた年配の患者さんではなかったか。ならば、当然、他のクスリも服用されておられるはずだ。しかも数種類。
これらのクスリと新型インフルワクチンとの相互作用による「現疾患の増悪」も可能性として考えられる。まずは、この点を精査してもらいたい。その際、季節インフルでの「知識」は、少し頭からはずした視点でやってもらうほうがいいかもしれない・・・。
このように1例、1例の貴重な症例から学び、なぜ、こういう事態が生じたのかを考え、まずは現状で、できうる限りの対策を講じるのが医学のプロの仕事では、ないだろうか?
そして、臨床問題の原因の詳細なメカニズムを解くのが、主に、基礎研究者らの仕事だ。
こうした臨床→基礎→臨床の「サイクル型の医学研究」が、今、医学のどんな分野においても、求められる。
なお、表題のような調子が続くなら、日本人の基礎疾患のある爺さん・婆さんの新型ワクチン接種は、上記の結論が出るまで「中断」という選択肢もありうる。
P.S; 今日は、これから、全国紙からの取材の予定だったが、急遽、明後日に変更したため、時間があいたこともあり、重要な話題なので、記事を書きました。