ベクレルセンターでレンタル中の簡易放射能測定器ドイツ・ベルトールド社LB200は、
- ベクレル値の計測が出来る
- 鉛の遮蔽容器がある(他の放射線を遮断。鉛15mm。バックグラウンド値の学習。)
- 電池駆動が出来る(単1×4本で20時間以上)
- キャリングケースに収めて簡単に運べる
という特徴を持っているため、どこでもベクレル測定を実施することが出来ます。 これを畑・廃棄物処理・除染現場に持って行く事により、
- 線量計ではまわりの放射線を拾ってしまうため条件によっては正しい測定が出来ないケースがありますが、LB200なら何センチまでセシウムが沈降しているかその場で正しくベクレル値で掌握することが出来ます
- ベクレル値の測定が出来るため、廃棄基準の8,000Bq/Kgを超えそうかどうかについて、現場でスクリーニングする事が出来ます
現在、My農家を作ろうメソッドにおいて、線量計では正しく検知できない数百ベクレルの濃淡の探査で活躍しています。
■LB200の操作方法
この装置は、操作が非常に簡単です。 数百ベクレルの土であれば1回5分程度で計測が完了します。なお、土は、容量として500ml必要です。また、①の手順の前に重さを測る必要があり、④の測定結果を使って簡単な計算(Bq/l→Bq/kg変換)をする必要があります。
以下は、実際に汚染エリアのとある公園で行った測定結果です。
深さ | LB200表示値 |
1cm | 9,491Bq/l |
2cm | 4,994 Bq/l |
3cm | 2,467 Bq/l |
4cm | 1,722 Bq/l |
5cm | 1,147 Bq/l |
読み取れる事としては、
- 水はけの良い公園のためかなり深く浸透しており、完全に除去するのは既に難しい状況になっているのが判ります。(LB200は計測値としてカリウムも拾います。土中のカリウムは数百ベクレルがいいところで、LB200が計測値として拾うのはこの数パーセントになります。土中のカリウムの影響でLB200が1,000Bq/l以上の計測値になることはありません。)
- 大半は表面2cmに固定されているのがわかります。
- 3cm以上掘っても努力の割があわない可能性が見て取れます。
除染をするのであれば、新たに被せる土のベクレル数をLB200で把握する事により、「除染をしたら逆に線量が上がった」といった本末転倒な事態も予防出来ます。
■注意事項
- LB200はBq/l表示なので、Bq/Kgに変換する場合は、比重計算が必要となります。Bq/㎡に変換する場合は、面積計算が必要となります。
- 土の測定は本来は完全乾燥させる必要がありますが、現場ではそうはいきません。「水分量はどの土も一定」という仮定の元、表示されるベクレル数は比率で評価することになります。どうしても概算する必要がある場合は、さらさらの状態で約2割。シットリした状態で約3割の水分を含むとして計算すると良いと思います。
- LB200はCs137を前提に表示が行われます。2012/10現在では、表示値に約0.7を掛けた値がCs137+Cs134の値になります。ただし、カリウムが多く含まれる土の場合は、プラス数十ベクレル加算される事があります。採取した土のベクレル数を比率で評価するのであれば、大きな問題にはなりません。また汚染量が千ベクレル以上の土の評価をするのであれば、カリウムは誤差の範囲となります。
- 測定限界は9,999Bq/Kgです。これを超える場合は、汚染されていない物(土・砂・粉状の物)等で薄めて測定し、比率で求める必要があります。
- 比重測定を現場で行う場合は、秤が必要です。
- 本機を使った調査方法は、国の除染ガイドライン外の調査方法になると思われます。
<本件に関するお問い合わせ>
株式会社ベクレルセンター検査部
TEL 04-7189-7406
Mail: kensa@bq-center.com
URL: http://bq-center.com/rental/