iPS細胞特許、具体例を審査基準に明記へ・・・に関するコメント
テーマ:ブログ政府は、国際競争が激しさを増す新型万能細胞(iPS細胞)の分野で特許取得を促進するため、
特許の対象になる技術の具体例を、特許庁の審査基準に明記する方針を決めた。
来月から知的財産戦略本部で基準作りの作業に入る。
細胞を扱う技術は、特許の対象になるかどうかの判断が難しい。
このため、本来は重要な特許になるはずの技術でも、研究機関が申請を手控える例があった。
今後は、同じ細胞を使った製品でも治療する臓器や器官が変われば新たな特許の対象となることなど、
審査基準の中で実例を挙げて説明し、申請を促進する。
iPSなど細胞に関係する特許登録数は、日本は米国の10分の1にとどまっている。
(読売新聞)
コメント:
これは注視せざるを得ない。
何か、これで、「日本万歳!」のような書き方だが・・・。
呑気に喜ぶ気になれない。
上記報道の最後の行を見てみよう。
ヘタな基準を創れば、それこそ、米国の餌食だ。
iPS細胞の改良編・応用編では、まさに米国の独壇場の様相を呈しているところに、
まだ、米国に塩を贈るようなことになる。
携帯電話でも、数百の特許から成り立っている。
iPS細胞も、応用段階では、恐らく結構な数の特許の組み合わせになるだろう。
そこの大半を米国に押さえられる情況を想像してみるといい。
山中先生らの「基本特許」が取り囲まれる姿を、そして、特許料込みによる「(主に米国産の)高額医療商品」が出来上がり、それを日本人患者さんらが買わざるを得ない情況を。
相当な知恵を絞らねばなるまい。
だが、ほんの数年前の「バイオ・バブル」での「日本の戦略」は、どうだったか?
知的財産立国の名の下に、様々な「せこい案」が実現したが、結局は、倒産・経営破たんするバイオ・ベンチャーの山々。日本発の戦略商品なんて、ほぼ皆無・・・。
株価対策だけで、富を得ようとする輩の出現。雇用創出?・・・雇用喪失へ。・・・これが、竹中ー小泉のラインで作られた「知的財産戦略本部」の「成果」だ。
これが、日本の数少ない宝である「iPS細胞」で繰り返されては、眼も当てられない。
「知的財産戦略本部」の委員の構成から、考えて欲しい。
前にいた人は、責任をとって今回は、できれば関わらないでもらいたいと思う。
評論家は、絶対いらない!
本当に能力のある弁護士(弁理士というよりは、弁護士)・MBA取得の経営者を中心に、優秀な医学者・生命科学者もふくめて、公募で選抜し、時限つき・成果主義の特別チームを構成して、ことにあたってもらいたいもんだ。
同時に次代を担う若手人材の養成も含めてな。