初代教授 武澤 純
Jun Takezawa M.D., Ph.D.
テーマ:医の質安全管理,感染制御,データベース構築
1974年 大阪大学医学部卒業
1974年 大阪府立病院
1975年 大阪大学医学部附属病院医員
1976年 米国国立衛生研究所研究員
1978年 米国ディーク大学医学部内科研究員
1978年 大阪大学医学部助手
1985年 大阪大学医学部講師
1988年 名古屋大学医学部附属病院講師
1993年 名古屋大学医学部附属病院助教授
1995年 名古屋大学大学院医学系研究科救急・集中治療医学分野 教授
2008年3月1日 逝去
主業績:国立大学病院データベースの作成,感染症協議会会長など
第2代 教授 松田直之
Naoyuki Matsuda M.D., Ph.D.
テーマ:東海圏における救急科設立の支援,急性期医療の実践と学術化,多施設RCTと基礎研究の融合,救急・集中治療医学における教育力の発展,医学部教育の実践化
2009年 10月7日 名古屋大学大学院医学系研究科救急・集中治療医学分野 教授 選任
2010年 2月1日 名古屋大学大学院医学系研究科救急・集中治療医学分野 教授 着任
医局員:高橋英夫(准教授),真弓俊彦(講師),小野寺睦夫(助教,医局長),都築道孝(助教),鈴木秀一(助教),井上卓也(助教) 医局員6名よりスタート。「内実のある環境に変革するところから開始し,プレゼンテーション能力を育成し,依存ではなく,責任の中で若者が育つ環境としなければならない,その前の1年間としたい」(松田 談)。
2010年 4月1日 新入局 山本尚範(医員),寺前洋生(研究生)。集中治療部16床の管理と,救急外来活性化の基盤形成を目標として,名古屋大学での活動を開始した。
2010年は,当教室や研究室の美的整備が行われた。
2010年度の推移 第1期 流れ星の時代 誰もいない医局に教授が一人でやってきた
2010年 4月1日 新入局 第1期生 山本尚範。研究生・研究助手として寺前洋生,京都大学初期診療・救急医学分野より異動。診療体勢は,集中治療部16床の管理と救急部活性化に向けて活動開始。
2011年 1月31日 退職 寺前洋生(北海道教育大学へ異動)。寺前洋生により,研究室の研究基盤が整えられた。
2011年 3月30日 退職 小野寺睦夫(助教)(徳島大学へ異動),井上卓也(助教)(一宮西病院へ救急科医長として異動)。
救急部は,整形外科(奥井伸幸),循環器内科(大橋大器),および消化器内科の応援を得て,急性期緊急性対応として救急部診療が再建された。松田教授の名大着任前に,山本尚範が2009年12月24日,京都大学の松田准教授室を訪れ,クリスマス事変として松田塾への入局を表明し,松田教授指導の下で新たな教室運営が開始された。
集中治療部(ICU:intensive care unit)は従来どおり,高橋英夫,真弓俊彦,鈴木秀一,小野寺睦夫,都築道孝,角 美和子などの当教室のメンバーが中心スタッフとなり,麻酔科貝沼関志(元藤田保健衛生大学麻酔科教授),金 碧年(麻酔科助教),市川 崇(麻酔科助教)をスタッフに組み込み,運営された。松田教授との管理指針の違いより,多くの論議がなされた。2011年4月からは,術後全身管理をメインとした旧集中治療部を周術期管理として麻酔科に委ねることとし,救急・集中治療医学分野は広く救急・集中治療としての急性期病態管理を展開する方針とした。「競い合う中に発展が期待できるように,急性期管理の真実を公言し演じる」,この言葉が,松田教授の集中治療部分断における発言である。集中治療領域を深く捕らえ,治療に反映できるだけではなく,救急外来診療体制における診療環境および教育環境を整えることを,当教室は第2期の総合目標とし,教授は「松田塾」を開設した。
2011年度の推移 2011年4月1日〜2012年3月31日 第2期 戦国の時代 医局体制ゼロからの再起
概説:2011年 4月1日 新入局・新規参入12名 足立裕史(浜松医科大学より),村瀬吉郎(国保坂下病院より),角 美和子(名大循環器外科より),奥井伸幸(名大手の外科より),沼口 敦(名大小児科より),田村哲也(名古屋市立大学より),稲葉正人(名古屋医療センターより),祖父江 恵(オレゴンヘルスサイエンスセンターより),武田真輔(東京大学整形外科より),東 倫子(名大卒後臨床研修センターより),久保寺 敏(名古屋中部労災病院より),高谷悠大(京都市立病院より)。2ヶ月間集中 集中治療レクチャーコース松田塾 開講。名大医学生向け 救急外来初期診療松田塾 開講。
2011年 5月1日 Emergency & Medical ICU 2床稼働
2011年 6月1日 Emergency & Medical ICU 6床稼働,杤久保順平(浜松医大より研究生として参入)。
2011年 7月31日 退職 真弓俊彦(講師)(一宮市民病院救命救急センターへ医長として異動)
2011年 10月1日 Emergency & Medical ICU10床稼働,新入局1名 松島 暁(和歌山日赤病院より参入)
2012年 1月4日 研究助手 太田好美 研究参加
2012年 1月12日〜 基礎研究 Journal Club 開始
Journal担当
松田直之:Nature Medicine, Circulation Research,田村哲也:American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine,American Journal of Physiology Lung Cellular and Molecular Physiology,杤久保順平: American Journal of Physiology Heart and Circulatory Physiology
2012年 3月12日 研究助手 伊藤理恵 研究参加
2012年 3月25日 救急・集中治療医学分野 教室整備イタリアンポップ医局 医局が美化された
救急部は,2011年度より救急科専門医取得を目標とするメンバーが集い,救急車搬入数が月あたり280名レベルへ増加した。これに伴い,救急科病床を設置しなければ安全管理ができない状況であり,さらに後方支援病院として連携病院を外勤先として整え,診療協力体制の中で急性期医療を模索する段階となった。幸いにも,松田教授着任以来,急性期管理医学に対する関心が高まり,名古屋地区においても救急科専門医や集中治療専門を目指す若者が集結しようとしている。このような中で,救急科が病床を持つと比較的速く,転院対応ができ,急性期管理のフローが形成できる。経過観察入院や集中治療室後方フローとしての,救急科専門医,集中治療専門医による救急科病床の運用が必須となった。
集中治療部は,Emergency & Medical ICUを救急・集中治療医学分野が主治医担当することで,APACHE2スコア 平均28レベルの重症度の高い管理を,高い治療成績で行った。松田教授による指針として,集中治療部内には主治医が設置され,主治医グループと教官グループにより主治医が支えられる。これが,救急科として割り振りができない急性期患者の診療を行う上での診療基盤である。この診療基盤が,既に2011年に完成し,さまざまな診療科の皆さんの協力の中で,極めて生存率90%を超える高い治療成績を残した。一方,当院は外科診療を重視しており,重症度の高い高侵襲手術も多い。このような患者に対して,これまで救急・集中治療医学分野で管理してきたICUをSurgical ICUと変名し,専従管理スタッフとして当教室より外科術後管理に長けた高橋英夫,角 美和子,鈴木秀一の3名と,麻酔・周術期管理研修として山本尚範を派遣し,外科術後管理の充実をはかった。
研究面では,杤久保順平が全身性炎症病態のcirculating endothelial cellのプロファイリングを進行させ,田村哲也が全身性炎症病態の転写因子活性とオートファジー促進の機構に関する免疫組織学的検討を進行させ,松田教授はInternational Vascular Health Research Group(VHRG) のメンバーとして,全身性炎症病態の心血管系病態治療の検討を進めた。
2012年度の推移 2012年4月1日〜2013年3月31日 第3期 調和統合の時代 地域後方支援体制の基盤形成
概説:2012年 4月1日 新入局・新規参入5名 山本美知郎(整形外科・手の外科専門),海野 仁(静岡総合病院 卒後5年目,総合診療),日下琢雅(名古屋市立大学卒後5年目,救急医学),淺田 馨(名大急性期ジェネラリスト養成,卒後4年目),大林正和(京都府立医科大学卒 京都武田病院 卒後3年目)を迎え,さらに急性期管理医学の診療と教育が充実しようとしている。当医局は,現時点でも13を超える多くの関連病院を支えることを目標としており,所属する皆には医長や部長としてのシステム管理を含めて,多くの管理スタイルや学術を実地で学んでもらうことができる。入局に際しては,大歓迎している。当分野は,専門医がトキのごとく少ないために,競争相手が不在な世界ですので,必ず大成する特徴がある。従来のように,他診療科で学んだあとでは,真の急性期医療を学ぶのが遅れる傾向がある。急性期管理医学の診療,研究,教育に関心があり,この専門職や管理職を特に希望される方は,早い段階で,どうぞ,教授松田まで御連絡下さい。
4月 3日(火)研修医救急外来オリエンテーション 教授 松田直之
4月13日(金)研修医向け心肺蘇生ICLS講習会 コースディレクター:松田直之,コースコーディネータ:助教 鈴木秀一
4月21日(土)2012年度 教授入局歓迎会 19:00-22:30 会場 フレンチ「セレスティ」
4月26日(木)手の外科との懇親会,四肢切断搬入に対するコンセンサスミーティング
5月16日(水)-19日(土)名大DMAT第1チーム結成 神戸研修 松田・足立・山口・宮川・堀
5月19日(土)2012年度 医局入局歓迎会 19:00-予定
5月31日(木)取材 Medical Network「病院新時代」 当分野に対するインタビュー
6月23日(土)第20回日本集中治療医学会北陸地方会(富山)一般講演 12演題 報告
7月31日(火)退職 鈴木秀一(助教)名古屋医療センターへ医長として異動
9月28日(金)退職 奥井伸幸(名大手の外科より救急部派遣)名古屋掖済会病院整形外科副部長として異動。名大病院を退職され,この日に盛大な送別会がPM7:00-PM9:30まで「カワブン名古屋」で開催された。奥井氏は,名大病院救急部の充実と再編に,多大なる貢献をした。
to be continued