- 久野 康成
- 東京コンサルティンググループ統括代表
- 久野康成公認会計士事務所 所長
インドの投資・会社設立・会社法・会計税務・労務[基本]
インドの教育制度
あなたはインドと聞いて何を思い浮かべますか?
インドについての印象を問われた時、多くの人がカレーに次いで思い浮かべるのは、高い教育水準についてではないでしょうか。
インドは第11回で述べたように英語力の資質に恵まれており、イギリスからの独立後は積極的に、特に理科系教育に力を入れ理系教育機関を創立してきました。現在、米国のマサチューセッツ工科大学に比類するといわれるインド工科大学(IIT)は、独立後の初代ネルー首相が創立したものです。彼は奨学金や留学制度の整備、書籍の輸入関税減免など早期から教育環境を積極的に整えました。
近年は教育方針も、先生中心型から生徒参加型へ、自由な発言の場における発想力、表現力の育成、といった自主性やリーダーシップを重んじる教育を強化しているといえます。そのため、以前からインドには起業家精神の旺盛な人が多くいましたが、以前にも増して起業家を目指す人が増えたといわれています。
インドの教育制度は、州政府が管轄するため、州によってカリキュラムが異なる場合があります。基本モデルとしては初等教育が8年間(スタートが日本より一年早いです)、中等教育が2年間、その後試験制度により、上級高等学校と工業高校に進路が分かれ、上級高等学校を終了すると、上級試験により、大学進学の道が開けます。
インドの国勢調査(2001年)によると、識字率は65%と、10年前より14%上昇しており、初等教育に一定の成果が上がっています。しかしながら地域によっては、子供を学校に通わせずに労働に従事させたり、女性に教育は必要無いという社会通念が残っていたりと、今後の課題もあります。
インドの教育の基本モデル
| 高等教育 | 博士課程後期 3年間 | |
|---|---|---|
| 博士課程前期 2年間 | ||
| 大学 3年間 | 工業学校6年間 16~21歳 | |
| 中等教育 | 上級高等学校2年間 16~17歳 | |
| 高等学校2年間 14~15歳 | ||
| 初等教育 | 中学校3年間 11~13歳 | |
| 小学校5年間 5~10歳 | ||
インドの日本人学校
インドにおける日本人子女向け教育施設としては、ニューデリー、ムンバイに日本人学校が、チェンナイに補習授業校(普段は現地校やインターナショナルスクールに通い、放課後に登校します)があります。これらの学校は、学校施設やカリキュラムもほかと比べて遜色無いようで、また、他国の日本人学校と同じく優秀な生徒が多く、いわゆる難関高校に進学することも多いようです。
お子さまと一緒にインドに赴任される方は、日本人学校への編入をご一考されるのもよいかもしれません。
- 第39回:インド人の語学的ダブルスタンダード
- 第38回:ガンジーについて
- 第37回:インド駐在員奮闘中:チェンナイの生活環境
- 第36回:インド駐在員奮闘中:インド駐在は嫌ですか?
- 第35回:日本人に広がるインドへの関心
- 第34回:インドのネット通販
- 第33回:インドのベンチャー支援
- 第32回:百年に一度の猛暑とモンスーン
- 第31回:企業活動のグローバル化について
- 第30回:インド版バレンタイン?
- 第29回:インド人の視点(1):インドの先端技術
- 第28回:インド駐在員奮闘中~インドの神々
- 第27回:インドの日本食
- 第26回:インド駐在員奮闘中~インドの牛
- 第25回:インド電気事情
- 第24回:印僑の影響力
- 第23回:インドの環境問題
- 第22回:インド駐在員奮闘中:水って大事
- 第21回:デリーメトロは日本流!?
- 第20回:インドの観光業
- 第19回:インドQ&A:インド子会社の決算期
- 第18回:インドQ&A:日本への利益還流
- 第17回:インドの洋服事情
- 第16回:インドの祝日
- 第15回:インドの教育制度
- 第14回:インドの懐事情~家電編~
- 第13回:仕事もいいけどゴルフもね
- 第12回:ムンバイの家賃相場は日本の軽自動車並!?
- 第11回:インド人の英語力
- 第10回:インドの医療
- 第9回:新興都市グルガオン
- 第8回:インド・日本におけるジェネリック製薬市場
- 第7回:インドの携帯電話事情
- 第6回:デリーにバス専用レーン登場
- 第5回:インドビジネスにおけるFTAの活用
- 第4回:外国直接投資(FDI)
- 第3回:インドの国内産業とインフラ整備
- 第2回:インドの歴史と教育制度
- 第1回:なぜインド進出を考える企業が多いのか? いま、インド市場が注目を集める理由