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インド新聞 コラム

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インドの歴史

植民地支配~独立へ

インドは17世紀から20世紀にかけて、約250年間イギリスからの植民地支配を受けてきましたが、1947年8月15日に、パキスタンとの分離に伴い独立しました。植民地支配による大きな影響として、公用語としての英語、官僚機構などが挙げられ、現在においても世界最大規模の議会制民主主義国家となっています。

社会主義~経済自由化へ

独立運動で大きな役割を果たしたのは、国民会議派です。マハトマ・ガンディーと共に独立運動を指導したジャワハルラール・ネルーが初代インドの首相に就任しました。ネルー首相は、外資や輸入を厳しく規制するとともに、社会主義的な経済開発政策を打ち出し、統制経済を目指しました。彼が在任期間中に打ち出した政策は功を奏し、インド経済は年率4 %ほどの成長で順調に推移していき、その後のインド経済の基盤を決定づけることになりました。

しかし、社会主義的な経済政策を基調に展開するインド経済は、慢性的な貿易赤字と巨額な財政赤字により、行き詰まりを見せ始めます。1991年には、社会主義的計画経済を含む混合経済体制から、規制緩和・撤廃、為替レートの引き下げ、貿易自由化、外貨導入等を内容とする経済自由化路線に転じる政策を打ち出し、マクロ経済の安定化を目指すようになります。

2004年5月、この経済自由化路線に踏み切ったラオ政権時代に蔵相を務めたマンモハン・シンが首相に就任し、現在に至ります。


インドの教育制度

インドの初代ネルー首相は、イギリスからの独立後、特に理科系教育に力を入れ、積極的に教育環境整備に努めました。理系教育機関としてインド工科大学(IIT)を創立するほか、奨学金や留学制度の整備、書籍の輸入関税減免など早期から基礎を勉強できる教育環境を積極的に整えました。インドには教育制度のための目的税があり、国を挙げて教育に力を注いでいるのです。現在、インド工科大学(IIT)は、米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)に比類するといわれています。このIITの卒業生は米国に4万人近くおり、すでに欧米で数々の功績を残しています。科学技術教育にもまい進しており、IT産業の成長はめざましく、ソフトの開発能力などではすでに日本も太刀打ちできないレベルにあるともいわれています。

また、インドの教育は、理数系だけにとどまりません。2007年8月15日は、インド独立60周年の記念日であり、当日のインドの各新聞記事はどれも、経済成長の好調を背景に、インドの将来についてポジティブな内容でした。そのなかで特に目立つキーワードは、”Leader”でした。

従来からインドには起業家精神の旺盛な人が多くいましたが、近年は以前にも増して起業家を目指す人が増えたといわれています。教育方針も、先生中心型から生徒参加型へ、自由な発言の場における発想力、表現力の育成、といった自主性やリーダーシップを重んじる教育を強化しているといえます。

インド豆知識~インドの教育システム

インドの教育制度は、州政府が管轄するため、州によってカリキュラムなどが異なる場合があります。基本モデルとしては、初等教育は8年間、中等教育が2年間、その後、試験制度により、上級高等学校と工業学校に進路が分かれます。上級高等学校を修了すると、上級高等試験により大学進学の道が開けます。

執筆者

久野 康成
東京コンサルティンググループ統括代表
久野康成公認会計士事務所 所長

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