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【神奈川】

「福島を忘れないで」 横浜の小学校「希望の牧場」代表が講演

「牛を見捨てられなかった」と振り返る吉沢代表=横浜市金沢区で

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 福島第一原発事故で被ばくした牛の飼育を続ける福島県浪江町の「希望の牧場・ふくしま」の吉沢正巳代表(58)が十二日、横浜市金沢区の関東学院六浦小学校に招かれて講演し、「事故の犠牲になった福島を忘れないで」と語りかけた。

 講演は、本紙で吉沢さんが紹介されたことがきっかけ。五年生の社会科の一環で、八十人が聞き入った。

 原発事故で、原発から十四キロの距離にあった牧場は警戒区域に入り、牛は殺処分対象になったが、「牛飼いとして、見捨てて逃げることはできなかった」と吉沢さん。事故後に「希望の牧場」と名を改めて四百頭近い牛を飼い、家畜の放射能汚染を調査する場として研究者らを受け入れるまでを紹介し、「牛は原発事故の生き証人。迷惑だから片付けるのではなく、生かして役立てたい」と力を込めた。

 「原発事故はもうたくさん」としみじみ語る吉沢さんは、児童に「津波や地震の心配がある日本で、原発はどうあるべきなのか、考えてほしい」と訴え、講演を締めた。

 鈴木美月さん(11)は「人のいない場所で家畜やペットが一生懸命生きていると分かった」。後藤智哉君(11)も「福島でつくられた電気が僕たちの暮らしを支えていたと知った。今後、被災地のために何か支援したい」と誓っていた。 (栗原淳)

 

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