クローズアップ2012:日韓、すれ違う感情−−毎日新聞・朝鮮日報合同調査

毎日新聞 2012年10月06日 東京朝刊

「日韓交流おまつり」で韓国の小中学生(手前)と一緒に演奏する岩手県立宮古水産高校の生徒たち=ソウル市内で2012年10月3日
「日韓交流おまつり」で韓国の小中学生(手前)と一緒に演奏する岩手県立宮古水産高校の生徒たち=ソウル市内で2012年10月3日

 日韓連携について「強めるべきだ」との回答が7割近くに達した日本と、5割にとどまった韓国。すれ違う国民意識に、日本外務省の幹部は「未来志向に立って、一つ一つ関係を積み上げていくしかない」と話す。

 日本は、経済発展を背景に「力の外交」を推し進める中国や、核・ミサイル問題で対立する北朝鮮に対抗するため、韓国との連携を進めるべく腐心してきた。これらに対し、両国は共通の利害を持つとの認識からだ。しかし、ことあるごとに歴史問題が噴き出し、関係改善と悪化を繰り返すうちに、日韓の連携がスムーズに進まなくなっていった面もある。いったんは締結で合意しながら、中国への配慮もあり署名を延期したGSOMIAはその典型と言える。

 経済面でもぎくしゃくしている。欧州金融危機の悪影響を懸念する韓国の要請を受け、昨年10月に行われた日韓通貨交換(スワップ)協定の交換枠拡大も、関係悪化により今月末で終了する可能性も出ている。

 日本外務省幹部は「当局間で連携の必要性は共有しているが、歴史問題が壁になっている部分は否めない」と指摘。安全保障上の協力や経済関係深化に向けた努力を続ける以外に妙手はないとの認識を示す。【吉永康朗】

 ◇「片思い」日本人、時局に揺れ 「韓国好き」女性が圧倒

 竹島問題などで日韓が衝突するたびに、比較的冷静な日本に比べ韓国では激しい抗議行動が起こる。しかし、99年以降5回実施した日韓合同調査からは、韓国人より日本人の対韓感情の揺れの大きさが目立つ。

 韓国世論の対日感情は一貫している。親しみを「感じる」が「感じない」を上回ることはなく、サッカー・ワールドカップ(W杯)を日韓で共催した後の02年7月を除けば「感じない」が60%台で推移している。

 これに対し、日本人の韓国への感情は繊細だ。親しみを「感じる」が、99年5月48%→02年2月69%→同7月77%と上昇し、今回再び47%に下降した。この間、30ポイントの振幅があった。親しみを「感じない」も29ポイントの幅で上下し、今回最多の47%まで上昇、初めて「感じる」と「感じない」が同じ割合となった。

 調査結果をみる限り、比較的固まった対日観がある韓国人に対し、日本人の対韓意識は時々の出来事に左右されやすい。今後の韓国の出方によっては、親しみを「感じない」が「感じる」を逆転する可能性もある。

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