クローズアップ2012:日韓、すれ違う感情−−毎日新聞・朝鮮日報合同調査

毎日新聞 2012年10月06日 東京朝刊

相手国に親しみを感じるか
相手国に親しみを感じるか

 毎日新聞と朝鮮日報の合同世論調査は、双方の国民が島根県の竹島(韓国名・独島)と歴史の問題を重く受け止めていることを改めて示した。両国とも連携強化に前向きな世論は消極派を上回っているものの、韓国側の日本に対する関心の低さは否めない。問題を引きずりながら、日韓は「すれ違い」の時代に入りかねない。

 ◇韓国、顕著な対中傾斜

 韓国の祝日だった3日、ソウル市内の国際展示場で市民交流行事「日韓交流おまつり」が開かれ、4万人が来場した。両国関係悪化を受けて主催者は警備を強化したが、トラブルは皆無。浴衣の着付け体験をした李タンビさん(24)は、一緒に浴衣を着たボーイフレンドと記念撮影をしながら「日本との政治的な問題について友人と話すことは、ほとんどない」と屈託なく話した。

 在韓日本大使館公報文化院の道上尚史(みちがみひさし)院長は「こうした時期だからこそ交流行事を止めてはならないという声が韓国側でも大きくなってきた」と話す。韓国側調査で「日本に親しみを感じる」割合が08年調査に比べて減っていないことも、政治的緊張が市民感情と直結しなくなったことを示したといえる。

 ただ、政治的緊張からの反感が広く共有されなくなった背景にあるのは、韓国社会で日本への関心自体が減っていることだ。政治や経済など各分野での日本への関心低下と中国への傾斜が著しい。中国や北朝鮮をにらんでの日韓関係強化の必要性を否定する回答が、日本で25%にとどまったのに対し、韓国では40%にのぼったことが象徴的だ。

 韓国は6月末、防衛に関する秘密情報を交換する際の規則などを定めた日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)締結を署名直前に延期した。韓国ではこの時も、中国への配慮の必要性が取りざたされ、野党・民主統合党の朴智元(パクチウォン)院内代表は「日本のために中国を放棄するような危険な賭博はすぐやめねばならない」とまで語った。

 韓国の対中依存は、経済面で特に著しい。韓国にとって中国は04年から最大の貿易相手国であり、09年以降は2位日本と3位米国の合計より中国との貿易額の方が多いという、圧倒的な存在感を示している。韓国に駐在する日本の外交官は「中国への関心をどうやって少しでも日本側に引き戻せるかが、非常に厳しい課題だ」と話している。【ソウル澤田克己】

 ◇歴史問題、連携の壁

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