復興予算:民主、省庁答弁者の欠席指示 衆院行政監視小委
毎日新聞 2012年10月12日 01時29分(最終更新 10月12日 02時12分)
東日本大震災の復興予算の使途問題をめぐる質疑を予定していた衆院決算行政監視委員会の行政監視小委員会は11日、民主党委員の欠席で流会になり、野党は政府・民主党への攻勢を強めている。民主党は欠席した理由を「与党との合意なく、野党が一方的に開催を決めたためだ」と反論しているが、野田政権の打撃になりかねない審議を先送りしたい思惑がにじむ。
小委の委員は14人。野党側の委員6人は出席したが、民主党の委員8人が欠席したため定足数(7人)に足らず、流会になった。
新藤義孝小委員長(自民)は流会後の記者会見で、各省庁の答弁予定者も欠席したのは民主党側が政府側に指示したためだと指摘。民主党の山井(やまのい)和則国対委員長も政府側に欠席を指示していたことを記者団に認めた。
これを受け、自民党の石破茂幹事長と公明党の井上義久幹事長は藤村修官房長官と首相官邸で個別に会い、「国会の権能を無視している」と抗議。これに対し、藤村氏は「国会で与野党が合意できれば政府として説明する」と述べるにとどめた。
こうした政府・民主党の対応を踏まえ、自民、公明、国民の生活が第一など参院の野党7党は急きょ国対委員長会談を開催。参院でも復興予算の使途問題について閉会中審査を求めることで合意した。
政府側も「手をこまぬいていたら臨時国会が持たない」(閣僚の一人)と危機感を強め、下地幹郎防災担当相は11日、各省から状況を聴取。平野達男復興相は財務省から既に2度説明を受けたが「納得いかない」と突き返しており、岡田克也副総理も行政刷新会議で精査する考えを表明している。ただ、民主党内では「野党のパフォーマンスに付き合う必要はない」(幹部)と突き放す声が上がるなど、早期の審議に応じることに警戒感が強い。【岡崎大輔、中井正裕】