大津中2自殺:募る後悔と無念 教師「考え続けている」

毎日新聞 2012年10月11日 15時00分(最終更新 10月11日 15時04分)

自殺した中学2年の生徒の命日に、黙とうする大津市の沢村憲次教育長(左から2人目)と職員ら。左端は越直美市長=大津市役所で2012年10月11日午前8時45分、望月亮一撮影
自殺した中学2年の生徒の命日に、黙とうする大津市の沢村憲次教育長(左から2人目)と職員ら。左端は越直美市長=大津市役所で2012年10月11日午前8時45分、望月亮一撮影

 「目を閉じれば彼の顔が浮かんでくる。ショックで教師としての自信を失った」。大津市立中学2年の男子生徒が自殺してから1年となった11日、生徒が通っていた中学の教師たちは、後悔と無念の思いを募らせて命日を迎えた。同日朝、男子生徒を追悼して同級生らが書いた作文を教師が朗読し、対応が問われた市教委も全職員が黙とう。いじめの再発防止と問題を問い続けることを心に誓った。

 毎日新聞の取材に応じた複数の教職員によると、自殺後、男子生徒が通っていた中学はホームルームで繰り返し「どんなに小さなことでも相談してほしい」と伝えた。生徒たちの微妙な変化に気付こうと目を凝らしたが、自信を失った教師は「本当に生徒が見えているのか。明日にもこの中の誰かが自殺するのでは」と不安になった。

 自殺した生徒と接していた教師の一人は、今改めて思う。「何ができたか、何をしなければならなかったのか考え続けている」

 一方、中学の生徒たちは、問題を問い続けるため、5月から毎月11日に生徒たちが命をテーマに書いた作文を校内放送で朗読してきた。この日も3年生4人の作文から「今の自分は誰かを傷つけていないか」「こんなことが起きないために周りにいる自分たちが助ける必要があると学んだ1年だった」との思いを女性教師が読み上げた。

 市教委事務局では始業前、沢村憲次教育長ら職員約80人と本郷吉洋教育委員長らが黙とうした。【加藤明子、千葉紀和】

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