大津・中2自殺:ネット中傷も犯罪 県警、人権侵害で捜査 /滋賀
毎日新聞 2012年10月03日 地方版
大津市立中学2年の男子生徒の自殺を巡り、インターネット上で人権侵害が相次ぎ、無関係の第三者を含む多数の被害が生じている問題が2日、県議会一般質問で取り上げられた。県警は被害届を受理し、名誉棄損容疑で捜査を進めている。
佐藤健司県議(自民)が「報道が過熱した7月以降、ネット上で重大な人権侵害が起きている」と指摘。いじめたとされる同級生ら関係者だけでなく、関係者と誤解された第三者への誹謗(ひぼう)中傷がインターネット上で拡散し、自宅や職場に脅迫手紙や電話が相次ぎ、体調を崩した事例を憂慮した。
これに対し、県警の福本茂伸本部長は「インターネットの世界は『治外法権』という錯覚さえ起こさせるが、現実空間と同様、サイバー犯罪は処罰されると知らしめるよう努力する」と答弁した。
県警が受理したインターネット上の名誉棄損、誹謗中傷、脅迫などの相談件数は昨年97件、今年1〜6月は39件。このうち、インターネットの掲示板に山仲善彰・野洲市長の殺害予告が書き込まれた脅迫事件など昨年5件、今年2件を既に立件している。【加藤明子】