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共産、知事選で擁立を見送り 反原発一致で飯田氏に配慮
2012年7月6日(金)掲載
共産党山口県委員会は5日、任期満了に伴う山口県知事選(12日告示、29日投開票)に対立候補を擁立しないと発表した。県庁で会見した佐藤文明委員長は、無所属で立候補を表明しているNPO法人環境エネルギー政策研究所所長、飯田哲也氏(53)と上関原発を中止させる課題で一致したことなどを理由に挙げた。飯田氏の得票を分散させないよう配慮した。

佐藤委員長によると、対立候補の擁立を検討する過程で、党内外さまざまな人から飯田氏への協力要請を受けた。「上関原発中止・原発ゼロ」の実現という当面する大きな課題で飯田氏と一致し、「県政を変えたい」という県民の願いも考慮して、党として候補を擁立しないことを決めた。

飯田氏は現時点で個別の具体的な政策を明らかにしていないものの、脱原発と自然エネルギーへの転換、米軍岩国基地への垂直離着陸輸送機オスプレイの持ち込み反対という点では同じと判断した。

また、橋下徹・大阪市長が代表を務める「大阪維新の会」との関係については、飯田氏が6月15日付で大阪府市の特別顧問を辞任し、橋下氏の応援を要請しないと表明するなど一定の距離を置いていることを評価。ただ、飯田氏が橋下氏の政治的手法を評価する発言があるため、今後も注視していくという。

現時点で党として支援しない方針で、投票行動は党員の判断に委ねる。

同委員会などでつくる革新系団体「みんなの県政をつくる会」が6月13日の常任世話人会で対立候補の擁立を断念したことを受け、知事選への対応を検討していた。

共産党が知事選に公認、推薦候補を立てないのは1960年以来2回目。

飯田氏をめぐっては、社民党県連合が自主投票で勝手連的に飯田氏を支援することを決めている。飯田氏は政党や団体に自ら支援を要請しない方針。

知事選にはほかに、元国土交通審議官の山本繁太郎氏(63)=自民、公明両党推薦、衆院議員の高邑勉氏(38)、元県職員の三輪茂之氏(53)がいずれも無所属での立候補を表明している。
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