二〇一一年 卯月 廿七日 水曜日■ 福島原発事故について・その5 被曝を防ぐ・放射線量の高い地域 [/links]その4で述べたように、政府には国民の健康や生命を守るつもりがない。政府や東京電力は補償の金額をできるだけ少なくしたいはずだし、放射線医学の研究者にとってこの原発事故は低線量被曝の研究を進める絶好の機会だ。したがって、残念ながら、彼らの言うことを信じてはいけない。自分の身は自分で守る必要がある。 年間の被曝量が20ミリシーベルトを超えると予想される地域(私の計算によると、福島第一原発周辺から福島市にかけてと福島市から郡山市にかけての地域)では、避難するべきだが、さまざまな事情で避難できない人も多いだろう。本来は東京電力や政府が責任を持って避難させるべきだが、それを期待することはできない(政府は内部被曝を計算に入れていないので、福島市や郡山市を避難地域に指定していない)。 また、年間の被曝量が1ミリシーベルトを超えると予想される地域(私の計算によると、北は名取市くらいまで、西は会津若松市くらいまで、南は鉾田市くらいまで)では、できれば避難した方がよいが、これだけ広い範囲の人が全員避難するというのは現実的でない。 こういった地域に住み続けるのなら、できるだけ被曝量を減らすような生活をしたほうがよい。 現在、放射性物質は地面に多い。外部被曝を少なくするには、建物の中に入るのが効果的だ。外出はできるだけ控えるのがよい。ただし、室内に放射性物質を持ち込んでしまっては意味がないので、掃除は普段以上に重要だ。 土が露出しているなら、表面の土を捨てることができれば、被曝量を大幅に減らすことができる。郡山市が学校で試みたが、理解が得られないようだ。これは是非やるべきなのだが、残念なことだ。 空気中に浮遊している放射性物質は、今ではだいぶ少なくなっているようだ。窓を開けない、外出するときは帽子をかぶりマスクをする、帰宅したらすぐに服を着替えて洗濯するといった対策については、避難するべき地域を除けば、それほど必要ないと思う(もちろん、対策するに越したことはない)。 ただし、雨が降ると、空気中の放射性物質がまとめて落ちてくるので、雨に当たらないようにすることは重要だ。雨が降ると自然放射線も増えるが、自然放射線も人工放射線も放射線には変わりがなく、人体に与える影響は同じだ。人工放射線量が多い場合、自然放射線による被曝もできるだけ少なくする方がよい。雨水がたまるような場所には放射性物質もたまるので、そういうところには雨が止んだ後でも近づかない方がよい。 その6へ続く。 |