締め切り前にダウンした。
だんだん無理が利かなくなっているんだろうか、それともたまたまか。
朝から妙に寒気がする。寒い寒い。
ストーブをつけて部屋が２８度とかになって、アシスタントが暑いと言い出しても
俺一人ブルブル震えている。
これはヤバイ。確実にこのスグ後で高熱が出る。
体調管理はわりと得意で、風邪とかひきそうな兆候がでると、嫌になるほど水を飲んで
やたら厚着をして、ひどくならないうちに治してしまうんだけど、今回のは強力だ。
寒いだけならまだしも、吐き気もしてきたし、おなかも壊れた。
でもそこもまぁいいとしよう。困るのは気持ち悪いってことだ。
二日酔いみたいな気分の悪さだ。これは仕事していられん。
ベッドで横になって、とにかく早く治すことにする。
どんどん気持ち悪くなってきた。最初のうちは
「生きてるって 気がするぜぇ」
とか言ってみてたものの、だんだん
「タスケテー　タスケテー」
となってきた。
アシスタントにお粥作ってもらったりして食べた。
アシ達の間では
「ノロウイルスじゃない？」
って推測が出てたようだ。
病院に行きたいところだが、あいにく日曜日だ。
まぁ気持ち悪いから動きたくないし、寝て治そう。
と最初は思ってたものの昼も過ぎ、一向によくならない。
このままじゃ今日中に治らないんじゃなかろうか。
マズイ。ただでさえ進行が押してて、３日分は遅れてる。
今日１日潰すと借金４日分だ。
それでももうアウトなのに、２日休んだら原稿は確実に落ちる。
作者急病につき、ってやつだ。
今まで何度か落としたけど、ホントに急病なのは初めてだ。
でも急病って言っても信憑性ないなー。
まぁ理由なんてどうでもいいよな。
とにかく休日診療の病院に行こう。
幸いそんなに遠いところではないんで出掛けてみた。
着いたら閉まってた。
絶望的な気分になる。
中からおじさんが出てきて、何か？と言うので「病院は…？」と聞くと
「ここは日曜祝日しかやってないんですよ」
と言う。
…じゃあ今日だろう！？
わけのわかんないまま、帰ることにする。
するとアシスタントから電話がかかってきた。
「大変だ！今日月曜だ！」
月刊の漫画家が曜日を間違えるのはよくあることだと思います。
それで、近所の別の病院に寄った。
受付と一緒に体温計を渡され、測ったら39.1度で、体温計を返却すると受付のおばさんが驚いていた。
「え！？これ、今計ったの！？」
今あなたがソレ渡したんですがな。
「アラアラー、たいへん」
診察が始まるまで奥のベッドで寝て待たせてもらえた。
病院で体温計を渡されると、37度程度に下がってたらどうしよう、と不安になる。
いや、家出るときは39度近かったんですけど…、
あ、すいません、たいしたことないのに来てしまって、
家帰って寝て治します。
だから39.1って出たときには安心した。
とりあえず薬もらって帰って寝た。
病気がなんなのかはわからない。
ホームズみたいにズバリ診断してくれたらいいのに。
夜中には少し落ち着いてきた感じがあって、仕事にもどるかどうか悩む。
でもここで急いで、またぶりかえしたら確実にアウトだ。
朝まで寝ることにした。
たくさん夢を見た。２０本立てくらい。
朝になったら熱はまだ38度あったけど、気持ちの悪さや吐き気、頭の痛さは無くなった。
これなら原稿は描ける。
原稿を描いてると、その日の夜には熱も下がった。
そんなわけで私は元気です。