今朝の東京新聞の1面コラム「筆洗」では、大修館書店が全国の中高生から募集した「国語辞典に載せたい言葉」(応募総数8万4090語)から、民主党政権にかかわるものが抜粋して紹介されていました。それがなかなか面白かったので、大修館書店のホーム・ページで確認したところ、以下のような新語が掲載されていました。
一般にあまり政治に関心は高くないとされる中高生ですが、見ている人はちゃんと見ているようです。というか、素直な目で見ればこれが誰にでもすぐに分かる実態だという気もしますね。(ゴチックは私がつけました)
おざわる【小沢る】
①
②
③
はとる【鳩る】
①
②
③
かんる【菅る】
①
②
③
かいえだる【海江田る】
①
②
はとのたべのこし【鳩の食べ残し】
中途半端に終わられてしまった状態。「鳩の食べ残しをどうするかでもめる」
レンホートーク
相手の欠点や弱点を厳しく指摘すること。反論する時間を与えないこと。
……この中で、のだる【野田る】については、「泥臭く頑張る」「上手にスピーチする」などと肯定的にみる作品が紹介されていましたが、おそらくこの作品の応募時点と今では国民の見方も違うことでしょう。
公務員給与削減も国会議員定数削減もやらず、問責決議も無視してマニフェストもほとんど不履行のまま、ただ国民にだけ負担を強いることに「不退転の決意」で突き進む野田佳彦首相の姿は、「虚仮の一念」というよりも、何かとてつもない勘違いにとらわれて周囲が見えなくなっているようにも映ります。
また、内閣支持率も急落し、内政も外政も就任3カ月で早くも行き詰まりつつあるように見える政権運営についても、野田氏はさして気にとめている様子が見られません。本当なら、状況打開のためにあれこれ手を打ったり、あちこちにつてをたどって電話をかけて根回しや要請をしたりするものですが、そういう話はほとんど伝わってきません。
前任者の菅直人前首相の場合は、情勢がどんなに悪くなっても、とにかく転がり回って逃げ続けていれば、いつか新たな展開が生まれてどうにかなるものだと考えていたフシがあります。実際、政権が「詰み」といわれた今年3月に悪夢の東日本大震災が発生し、この人はその国家国民の不幸を最大限利用して延命を図り、ある程度成功しましたね。
ところが野田氏の場合、菅氏のように新局面の訪れを待っているというより、実は何も考えていないのではないかと疑えてきました。この人がぶらさがりインタビューに応じず、記者会見も最低限の質疑で打ち切るのも、もともと話すべき内容を持たないからではないかと。あるいはそうではないのかもしれませんが、私には野田氏は開き直った危機感なき自信過剰者に見えるのです。
まあ、実際のところ何が正しいかは、きっと1年後の大修館の新語募集で、のだる【野田る】がどんな解釈・説明になっているかで分かることでしょう。あるいは、そのときにはもうこんな言葉は登場しないかもしれませんが。
by 伊佐柳若人
民主・松井副幹事長の菅氏言及…