お手伝いさんたちのブログ

中部大学 武田邦彦先生のブログの中で、音声収録のみのものをテキスト化して掲載しています。
テキスト化及び掲載にあたっては先生から許可を頂いています。

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汚染地域の現状・・・国民は自衛を、政府は誠意を、専門家は倫理を (10/9)




福島の放射線の線量、甲状腺の異常、福島原発の現状、そして農作物やサカナの汚染は今、次のようになっています。



・・・・・・これから音声・・・・・・・



1)福島の空間線量が減るところもあるけれど、かえって増えている場所も多くなった。福島で公的な線量が低く測定されているなど。線量計必携。


2)福島の甲状腺の異常は子ども平均で100人に40人、特に小学生の女児は55%になる。病院が診療を拒否するところもあり、またチェルノブイリでは1年に2回の検診を求めた日本の医師が、日本では2年に1回と主張している。


3)甲状腺のガンは1人と言われていたが、実は4人か?(まだ未確認)


4)福島原発から相変わらず一日数億ベクレル(2007年の大騒ぎした新潟柏崎原発の漏洩が全部で3億ベクレル)とされるがよく分からない。


5)JA(農協)が検査しない汚染米がかなり流通しているという噂が絶えない。


6)福島県は「まるごと博」のような行事をこれからも続けようとしており、その中には生徒が参加するものもあるので不安が広がっている。



いずれも、普段なら新聞がかなり書くものばかりですが、すっかり宗旨替えした新聞はほとんど汚染を報道しなくなりました。初期の第一撃(2011年4月から5月)がもっとも被曝を避ける上で大切だったのですが、それに次いで最初の3年ですから、すでに1年半を過ぎています。頑張りましょう。



この記事は速報としての情報ですが、是非、政府に誠意を、専門家やマスコミには倫理を求めたいと思います。


(平成24年10月9日)




--------ここから音声内容--------




福島の放射線の線量の問題、及びお子さんの甲状腺の異常の問題、それから福島原発の現状、それから農作物、魚の汚染状況、ちょっとですね、状況についてお話をしたいと思います。





福島の空間線量はですね、減ってる所もあるんですけども、かえって増えている報告も結構出てきました。これは当然でですね、セシウムとかストロンチウムは半減期が30年ですから、とうてい一年や二年で放射線量が変わるはずがありません。例えばある場所が減ってきたっていうことは、他の場所が増えてきたっていうことですので、かなり何か風などでですね、移動しているような感じが致します。





それからもう一つは福島で公的な発表をされておる線量がかなり低いという問題も指摘されておりますので、これは線量計をですね、ぜひ必携されて、必ず持ってですね、自分のお子さんの活動範囲、自分の活動範囲については、やはり確認をしておく必要があると思います。私はほとんど自分のお金にはなりませんから自由な立場で発言できますが、竹書房のですね、マンガ付きの放射線測定器、これは私が実はかなりの期間ですね、実際に自分で色々計ってみて、絶対に精度としては確信があるものでありますし、6500円ぐらいですかね…ちょっと値段がよくわからないんですが、マンガ付きで。





ですからぜひですね、まだお買いになってない方、もしくは最初に買ってちょっと不安定だと思われる方はですね、ちょっとお金が高いんですけども、これできちっとやられた方がいいんじゃないかなぁと私は思いますね。慣れてきますとちゃんと測れますのでですね。





それから福島の甲状腺の異常、子どもの平均でだいたい100人に40人から50人なんですが、特に小学校の女の子がですね少し多いのが気になります。小学校の女の子はですね、甲状腺以外にもお腹の卵子の問題もあって、非常に心配であります。で、非常にいけないのが甲状腺が心配で親御さんがですね、病院に連れてっても診療を拒否される所もあります。これはもう医者が絶対にやってはいけないことですね。お医者さんっていうのはですね、例えば人種差別とか、色んな差別を絶対にやっちゃいけない。来た人は全部断らないというのが医師の基本的な倫理ですので、これを思い出して頂きたいと思います。





それから診療される方もですね、ちょっと材料を提供しますが、チェルノブイリでは一年に二回の検診を日本のお医者さんが求めました。これに対して、日本では二年に一回と…1/4の頻度を主張されております。なぜこのように大きく変わったのかっていうのがよくわかりませんけども、お母さんとしてはですね、お子さんの診療を断られた場合、「チェルノブイリでは一年に二回も検診を求めたんですけども、どうして日本では、日本国民は検診を受けられないんですか」と言うぐらいはですね、やっぱりご主張なさったらいいんではないかと思います。





それから甲状腺のガン、福島の子どもたち、1人と言われておりましたが、実は4人という未確認情報もありまして、これは今後よく調べていこうと思います。ただ、この「未確認情報」と私がここに書かざるを得ないのはですね、本当だったらば、今までだったらNHKとか朝日新聞とかですね、そういう新聞なんかを信用できたんですけども、本当に今新聞がですねほんとのことを書いてくれるかどうかということは非常に不安ですね。





それから福島原発からはこの前東電の記者会見を見ておりましたら、だいたい一日に数億ベクレルが出ておるようです。2007年の大騒ぎをした時のですね、新潟柏崎刈羽原発の漏洩が全部で3億ベクレルであった所を考えますとですね、この一日数億ベクレルが毎日出てるのに、新聞がなぜ書かないのかということも、これ非常に疑問であります。





それからJAはですね、一応米の検査をしてるようですが、JAの検査をしない汚染米をかなり流通してるという噂がですね、去年の10月ぐらいからまだまだずーっと続いておりまして、これも実態がよくわかりません。





それから福島県が「まるごと博」って、この前やりましたようにですね、汚染地帯で行事を活発にやるという…お金がほしいんだというのがありますが、特に生徒が今後参加するような行事が結構あるようで、これについてはやっぱりご父兄が不安に思っとりますので、もう少し福島県も常識のある県としてですね、例えば赤痢がはやっているとかインフルエンザがはやっているっていうのと同じですね。





日本の法令は一年に1ミリシーベルト以上の被曝を禁止してるわけですね。やっぱりその法令を守る精神を持つと、お金よりかは法令であるということの日本の良き伝統を守ってもらいたいと思います。こういった問題はふだんなら新聞がかなり書くわけですが、この頃書かないので非常に不安ですね。





被曝は最初の一撃、これは事故後の4月、5月なんです。最も大切ですが、それについで最初の3年ですからね。もうすでに1年半を過ぎてますので、あと1年半頑張りたいというふうに思います。これは国民は線量計を測り、注意しながら生活をするという自衛以外に手がないんですけども、ぜひ政府に早めにですね、今までの政策を転換し、やっぱ国民の健康を第一にするという政策に転換してもらいたいし、それから専門家やマスコミの人にはですね、本来の倫理を求めたいと、そういうふうに思います。





この記事はむしろ政府とか専門家に言う記事ではなくて、定期的にこのブログで出しております、放射線に関する、一応私がですね、「こんな所ではないか」と思われるものを書いております。もちろん「こんな所ではないか」と思われる私の情報も、今の状態では非常にむつかしいんですけども、色んな方が情報を寄せて頂きます。その情報を総合し、また新聞テレビなんかの報道も入れて、「だいたいこのくらいかな」という状態を書いておりますので、どっちにも偏っとりません。





つまり「危ないよ、危ないよ」っていう方にも偏っとりませんし、それから「安全だ、安全だ」っていう方にももちろん偏っとりません。基本的には「やや危ないものには注意する」という、親御さんならですね、当然そう考えると思いますね。日本の親で、子どもの健康に心配があれば、そういうとこには行かせないというのは、もうほんとに日本の親の普通の行動ですから、そのくらいのスタンスですね。そのくらいのスタンスでこのブログをまとめております。この記事もその一つであります。



※記事中に出てくる竹書房の放射線測定器付き書籍(2012年4月23日発売)については、以下の竹書房HPを参照。税込み6980円。竹書房、アマゾンなどいずれも配送料無料。http://www.takeshobo.co.jp/sp/takeda3/

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