レスリング女子世界選手権55キロ級で10連覇し、五輪と合わせて世界大会13連覇を果たした吉田沙保里(29=ALSOK)が、新たな難題に直面した。あのアレクサンダー・カレリン氏(45=ロシア)を超えた「霊長類最強の女」という肩書をゲットした吉田には、将来の“華麗なる転身”が浮上。ところが、そのためには最強女王が毛嫌いする唯一の苦手分野の克服が求められている。一体どういうことか。
歴史的優勝から一夜明けた29日、吉田は時差ぼけと興奮で3時間しか眠れなかったという。それでも会見では、疲れを見せずに相変わらず元気いっぱい。今後について問われると「やれるだけやります。勝てるのに引退するなんてもったいないですよ。私が40歳になっても若手が出てこなかったらおかしい。2020年? 勝ち続けていればやっているでしょう」。リオデジャネイロ五輪はもちろん、8年後の五輪まで視野に入れた。
向上心の塊のような吉田に、国際レスリング連盟(FILA)副会長で日本レスリング協会の福田富昭会長(70)は「すごい女ですよ。もう、FILAでのあだ名は『マシーン』から『スーパーウーマン』ですな。これからもどんどん記録を伸ばしていってほしい」とご満悦。吉田はFILA内でも人気が高く、精密機械のようなタックルから「マシーン」というあだ名をつけられていたが、今後は「スーパーウーマン」になるという。FILAからも表彰される可能性が高い。
それほど“霊長類最強の男”と言われたカレリン氏を超えたインパクトが強烈で、現役を引退した暁には当然、日本の顔としてレスリング界、スポーツ界を引っ張る立場となる。
福田会長も「カレリンだって現役の国会議員ですからね。沙保里も大学の先生になるか、立派な指導者になるか、FILAの重鎮になるか、政治家になるか。声もかかるし、なんでもできるでしょう」と“華麗なる転身”を望んでいる。
一方で、大きな課題もあるという。「でも国際舞台に立つためには、英語ができないと。今から一生懸命勉強してほしい」(福田会長)
テレビのバラエティー番組からも引っ張りだこでマルチな才能を持つ吉田だが、唯一の弱点が「語学力」。ロンドン五輪後もリフレッシュを兼ねて海外研修を勧められたものの、断っている。
最強女王も語学に対しては「私、英語全然ダメなんですよ」と拒否反応に近いものがあり、吉田本人に全く学ぶ意思がないのだ。
ただ、いずれの世界に転身しても、国際舞台でカレリン氏のように活躍するためには語学力が必要となる。そこで今から準備しておいてほしい…というわけだ。とはいえ、英語嫌いの吉田がその姿勢を変えられるのか。マット以外の部分でも、周囲は興味津々に見守っている。
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