2012-10-12
■[ネット][近現代][身辺雑記]"日本の戦後、多くの子女がGHQの米兵にレイプされる事件が頻発したため、GHQの為に慰安婦を募集して、慰安所を儲けた。「女の防波堤」と呼ばれた。この話はぜんぜん出てこないし、クリントンも知らないのかな?" ←慰安所計画は進駐前だからデマ
エントリタイトルで引用したように、連合軍向けの慰安施設RAAにまつわるデマだが、tumblrやtwitterで拡散しているらしい。
もともと2ちゃんねるに書き込まれ、まとめサイトに採用された匿名の主張にすぎず、根拠も提示されていない。
2ちゃん的韓国ニュース : 【慰安婦】 「お金をもらっていたら被害者ではないのか。『強制』させられることだけが被害なのか」 市民団体がシンポジウム
それが下記tumblr等に転載されて広まっているようだ。
日本の戦後、 多くの子女がGHQの米兵にレイプされる事件が頻発したため、...
しかし、エントリタイトルでも簡単に説明したように、RAAは1945年8月18日に日本政府が開設するよう指示していた。連合軍が進駐したのは8月24日だから、GHQの米兵が婦女暴行事件を起こしたため開設したという主張は時空がねじれている。
なお、組織的に慰安所を運営した日本軍と同様に、RAAをあてがわれた米軍も暴行事件を起こしている。いずれにせよ「防波堤」として女性を利用し抑圧したことは、それを一時期であっても受け入れた米軍のみならず、日本社会の問題でもある。
そして、この歴史は例によって吉見義明『従軍慰安婦』でも、米軍の暴行事件をふくめて詳細に記述されている*1。最近でも、林博史教授が共著『連続講義 暴力とジェンダー』においてRAAにとどまらない米軍と売春施設の結びつきを論じていた*2。話が出てこないと思うのは、観測範囲の問題か、不都合なことが見えなくなる心理の問題だろう。
*1:194〜202頁。
*2:http://www.geocities.jp/hhhirofumi/books11.htmに前書きが収録されている。
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おとなり日記
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