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ノーベル平和賞に「ヨーロッパ連合」
10月12日 19時4分

ノーベル平和賞に「ヨーロッパ連合」
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ことしのノーベル平和賞に、ヨーロッパ27か国が加盟し平和と共存の理念のもとに統合を進めながら、現在、厳しい経済状況に置かれている、EU=ヨーロッパ連合が選ばれました。

ノルウェーのオスロにあるノーベル賞の選考委員会は、日本時間の12日午後6時すぎ、ことしの平和賞にEU=・ヨーロッパ連合を選んだと発表しました。
ヨーロッパ27か国が加盟するEUは、多くの犠牲者と国土の荒廃をもたらした20世紀の2つの世界大戦の反省を踏まえ、平和と共存を最大の理念として設立されました。
選考委員会は受賞理由について、「EUはいま厳しい経済状況や社会の混乱に直面しているが、平和と和解、民主主義と人権の確立という大きな成果を挙げてきた。EUはヨーロッパを争いの地から平和の地へと変えた」としています。
EUでは現在、ギリシャの財政危機を発端に信用不安が広がり、世界経済にも大きな影響を及ぼしており、発足以来最大の危機に直面しているともいわれています。
選考委員会としては、EUが困難な状況の中でも発足当初の理念を失うことなく、統合を進めてほしいというメッセージを込め、平和賞に選んだものとみられます。
ノーベル平和賞の受賞を受けて、ヨーロッパ議会のシュルツ議長はツイッターで声明を発表し、「受賞は大変名誉なことだ。EUは和解の象徴であり、戦争を平和に変え憎しみを団結に変えたほかに例を見ない取り組みだ」とコメントしています。

第二次世界大戦の反省踏まえ設立

ヨーロッパの27か国が加盟するEUは、第2次世界大戦の反省を踏まえ、戦争を二度と繰り返さないことを最大の理念として設立されました。
フランスとドイツなどが中心となりモノやサービスの流通を目的として1958年に設立された「ヨーロッパ経済共同体」がEUの母体となっています。
その後、イギリスやスペインなど加盟国が増え続け、市場を統合した「ヨーロッパ共同体」を経て1993年にEU=ヨーロッパ連合が発足しました。
さらに2004年にはかつて社会主義体制だった東ヨーロッパ諸国が加盟、2007年にはルーマニアとブルガリアが加わり、現在の27か国体制となりました。
地域の経済発展とヨーロッパの融合を促しました。

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