iPS臨床問題:山中氏論文盗用の疑い…ネイチャー電子版
毎日新聞 2012年10月13日 11時51分(最終更新 10月13日 12時01分)
英科学誌ネイチャー(電子版)は12日、iPS細胞の臨床応用を行ったと一部で報じられた日本人研究者の森口尚史(ひさし)氏が、同細胞の作成でノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥・京都大教授らの複数の論文を盗用した疑いがあると報じた。森口氏は「同様の研究をしているので、同じような言い回しになる」と説明したが、他の論文を「参照」したことは認めたという。
ネイチャーによると、森口氏らが執筆した胚性幹細胞(はいせいかんさいぼう)(ES細胞)に関する11年出版の書籍では、たんぱく質の検出手法に関する部分で、07年の山中氏の論文とほとんど同じ文言の内容が含まれていた。また、肝臓の検査に触れた部分でも、10年の別の研究者の論文の内容が一部改変して使われていたという。【長野宏美】