2011年4月29日15時23分
岩沼市の、ある避難所では、ホテルの味に近い炊き出しが食べられる。老舗ホテルの料理人だった男性が食材を選び、調理を指導している。ホテルは震災後に廃業し、自宅は津波にのみこまれた。重なった苦しみを乗り越え、「料理長」は腕をふるう。
「あー、切り方違う違う、シイタケはこう切るの」「はーい、料理長」。60人以上が身を寄せる岩沼市の農村環境改善センター。調理室から明るいやりとりが聞こえた。
佐々木五十美さん(67)が大鍋をお玉でかき混ぜると、いい香りが漂った。ニンジン、シイタケ、タマネギ、ブロッコリー、白菜、豚肉。キクラゲやタケノコはないけれど、佐々木さんや避難者が集めた食材で作った八宝菜だ。
八宝菜にはブロッコリーの芯も入っている。「ここも食べられるんだよ。こんな時期だしね」と佐々木さん。大きなシイタケを火が通るように丁寧にそぎ切りにしたのは料理人の技。最後にごま油を一かけすると「ホテルの味」に。ほかにもスパゲティ、ハンバーグ……とプロの味に近づけながら、避難者のために栄養バランスにも気をつけている。
18歳で料理人に。それから50年近く、和洋中すべての調理を手がけてきた。皇族も利用した仙台市の名門・ホテル仙台プラザに長年勤めていたが、同ホテルは経営が伸び悩み、3月7日に同月内限りでの廃業を発表した。
間もなく消えるホテルで働いていたあの日、震災に襲われた。岩沼市の自宅は津波で土砂にのみ込まれ、家族の無事を確認できたのは2日後だった。
一時避難に使われた仙台空港ビルでの食事は土産店のお菓子やパン。非常時で仕方がないとはいえ、料理人の胸が痛んだ。「この状況で、自分が力を尽くせるのは料理しかない」。避難所に移ると、知り合いに声をかけるなどして食材を集め始めた。
佐々木さんはいつも調理室にいて、一人ひとりに声をかけ、料理を教える。指導を受ける長田ゆう子さん(55)は「みんなで料理をして元気が出た。栄養も取れて、体重も保てた」と笑顔を見せる。
岩沼市では仮設住宅が完成し、佐々木さんがいる避難所からも29日には半数以上が移っていく。佐々木さんは仙台市内にアパートを見つけるが、避難者のために5月初めまでは避難所にいるつもりだ。「ここは大きな家族みたいなもんだから。あたりまえだよ。みんながおいしいと言って笑顔になるのが一番うれしいからね」(橋本佳奈)
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