少年鑑別所に送られた経験を持つシンガー・ソングライターの松本哲也(36)が、自身を題材にした女優・鈴木砂羽(40)の主演映画「しあわせカモン」の再公開を受け、10年ぶりに再デビューすることになった。松本と鈴木が広島・尾道市で開催中の「お蔵出し映画祭」で発表した。
「しあわせ―」は、薬物中毒の母・扶美江(鈴木)と、児童養護施設を出て歌手の夢を実現させた一人息子・哲也との親子愛を描く実話の物語。作品は経済的理由から3年間公開されず、“封印”状態だったが、昨年の同映画祭でグランプリを受賞、来年1月26日の全国公開が決定した。
岩手在住の松本は中学2年時に傷害事件で補導され、鑑別所から教護院(現・児童自立支援施設)に送致。02年のデビュー後、楽曲が日テレ系情報番組「ザ・ワイド」のエンディングに起用されるなど活躍したが、03年、母の衰弱死をきっかけに帰郷。今回、母への愛情をつづる主題歌「ユキヤナギ」で来年1月23日のメジャー復帰が決まった。
鈴木は「(演じた扶美江さんが)私を見守ってくれるような経験は初めてで、思い入れが強い。温かい歌に、胸がジーンとしました」と感激。結婚して1児の父になった松本は「全国を回って『親と過ごす時間を大切に』と伝えなきゃ」と意気込んだ。
[2012/10/13-06:10 スポーツ報知]