福留、６年ぶり日本復帰！２年３億円でＤｅＮＡへ

２００４年８月、アテネ五輪の日本・イタリア戦で本塁打を放った福留（右）をベンチで出迎える中畑ヘッドコーチ

　前ヤンキース傘下３Ａスクラントンの福留孝介外野手（３５）のＤｅＮＡ入りが決定的であることが１２日、分かった。古巣の中日、阪神も獲得に名乗りを上げていたが、開幕前から熱心にラブコールを送ったＤｅＮＡが争奪戦を終始リード。年内にも「ＤｅＮＡ・福留」が正式に誕生する。今オフ、フロントが明言している大補強の第一弾となり、得点力不足解消へ大きな期待がかかる。

　６年ぶりに福留が日本球界に復帰する。所属先は中畑ＤｅＮＡだ。関係者の話を総合すると、ＤｅＮＡは、福留に出来高も含めて阪神、中日を上回る２年３億円前後を提示。０４年のアテネ五輪でともに戦った中畑監督、高木ヘッド、中日時代の先輩、友利投手コーチがいる上、家族が在京希望であることなど環境面も好材料となり、気持ちが傾いたようだ。

　チームは今季、４月に前田健にノーヒットノーランを喫するなど貧打に泣き、チーム打率は１２球団ワーストの２割３分３厘。右翼の先発起用は金城、下園など計１０人で、最後まで固定できなかった。本社の守安社長は最下位が決まったシーズン終了直後に「戦力補強して（来季は）言い訳できない環境で戦ってもらう」と明言。福留獲得に全力を注いできた。

　福留は今季、Ｗソックスで２４試合、打率１割７分１厘に終わり、６月に戦力外通告を受けた。池田球団社長はこの時も「興味はあります。客を呼べるというか、実力がある選手」と獲得に意欲を見せていた。ヤンキース３Ａに移籍後は、３９試合で打率２割７分６厘、２本塁打、１６打点ながら出塁率は４割４分。日本時代から定評のあった選球眼の良さは健在だ。

　日米通算１６７３安打の福留はＤｅＮＡでは３番、もしくは５番に入る可能性が高い。今季はラミレス、中村に頼らざるを得ない状況だったが、打線の層が厚くなるのは間違いない。強肩を生かした右翼の守備も魅力で、攻守で大きな期待がかかる。実績十分で日米の野球を知るベテランの加入が、伸び盛りの若手に与える影響は計り知れない。

　球団は昨オフも福留獲得に名乗りを上げ、開幕後も調査を続けてきた。今回はその熱意が福留に届いた形だ。本人はメジャーでリベンジしたい気持ちをわずかに残しており、１２月までは大リーグからのオファーを待つ構え。だが、現状では可能性が低く、年内にも「ＤｅＮＡ・福留」が正式に誕生する。

　◆今オフ去就が注目される日本人大リーガー
  ▼松井秀喜（前レイズ）７月に戦力外通告を受け、現在は米国内で自主トレを続けている。
  ▼松坂大輔（レッドソックス）右肘手術から復活も６年契約終了。ＤｅＮＡが獲得に名乗り。
  ▼西岡剛（前ツインズ）３年契約を１年残し自由契約。阪神入りが決定的。
  ▼五十嵐亮太（前ヤンキース３Ａ）メジャー移籍が決定的な藤川の代役として阪神が調査。

　◆福留　孝介（ふくどめ・こうすけ）１９７７年４月２６日、鹿児島県生まれ。３５歳。ＰＬ学園から日本生命を経て９８年ドラフト１位で中日入り。０２、０６年に首位打者獲得。０６年ＭＶＰ、ベストナイン３回、ゴールデングラブ賞４回受賞。０７年オフにＦＡとなり４年総額４８００万ドル（当時で約５３億円）でカブス入り。昨季途中インディアンスに移籍。オフにＦＡとなりＷソックスと１年契約を結んだが６月下旬に戦力外。７月にヤンキース３Ａと契約を結ぶもメジャー昇格ならず、９月に自由契約。１８２センチ、８５キロ。右投左打。