石川のニュース 【10月11日02時40分更新】

金沢―東京、20時間で走破 金沢の早川さん、自転車で
 金沢市寺中町の医師早川康浩さん(52)が7日、自転車で金沢から東京まで片道42 8キロを20時間余りで走破し、新幹線でとんぼ返りする1泊2日の旅を敢行した。車の 通行量が少ない深夜に距離を稼ぎながら、安房(あぼう)峠で北アルプスを越え、長野、 山梨を経てJR東京駅に到着。単独で強行軍を成し遂げた早川さんは「無事にゴールでき て良かった。完全燃焼できた」と達成感に浸った。

 早川さんはこれまでも名古屋、京都まで自転車で旅しており「大都市ロングライド」の 最終章として東京行きを決意。標高差は大きいが、距離は短いコースを設定した。日中い つも通り診察をこなし、7日午前0時、小雨が降る中、家族に見送られて金沢の自宅を出 発。富山市八尾町から国道41号を南下して岐阜県入りした。

 懸命にペダルをこぐと体は温まるが、止まるとがたがたと震える寒さ。沿道のコンビニ エンスストアでアミノ酸入りゼリーを買って食べ、バス停の小屋で横になって疲労回復を 図りながら、夜明け前、北アルプス越えに挑み始めた。急傾斜の坂道を忍耐で上り続け、 午前7時、岐阜・長野県境の安房峠(標高約1800メートル)を突破。長野から山梨方 面へと快走した。

 早川さんが重視したのは「いかに安全に走るか」。7日昼、甲府市に入ると交通量が多 く、渋滞した車の脇を擦り抜けるのは危険と判断し、急きょ宿を取った。午後3時ごろに 石和温泉の宿に入り、疲れを癒やして翌8日午前1時、あらためて東京へ出発した。

 自転車後部などに点滅ライトを装着、反射板の付いたウエアを身に着け、真夜中の甲州 街道を走り抜けた。午前6時25分に東京駅に到着。所要時間は金沢から石和温泉まで1 4時間55分、同温泉から東京駅まで5時間25分の計20時間20分で、駅前に座り込 み「やりきった」と満足感に浸った。

 自転車を解体して袋に詰めて新幹線に乗り、8日午後1時半に金沢に帰還。早川さんは 過酷な週末の旅を「一生の思い出になった」と振り返り、「今は忙しいので強行軍だが、 仕事をリタイアしたら、のんびりと自転車で日本一周したい」と新たな夢を語った。


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