楽天が9日、大久保博元一軍打撃コーチ(45)を来季の二軍監督として配置転換することを発表した。表向きは「若手育成の手腕を買って」の就任だが、関係者の話を総合すると実際は“降格人事”だという。一体どういうことなのか。
球団のコーチ人事の舞台裏について、ある球団関係者は驚くべき証言をする。「実はデーブをヘッドコーチにする動きがあったんです。シーズン中にも三木谷(浩史)オーナーとの関係性をさらに深めていたこともあり、夏には本人に通達がいっていたようです」
三木谷オーナーが球場を訪れた夜は、フロント幹部だけで食事会を開くのが恒例。今季も何回か行われたが、その席になぜか現場の人間である大久保コーチが必ず出席していたという。接待でオーナーのハートをしっかりキャッチし、水面下で“ヘッド手形”を獲得していたわけだ。
この動きに待ったをかけたのが、楽天ナインだった。ミーティングで選手に暴言を吐くなど、デーブの度重なる問題行動には選手たちも我慢の限界。同コーチのヘッド就任話とは関係のないところで、たまった不満が爆発寸前になっていた。
そんな状況は立花球団社長ら球団側の知るところとなり、事態が急変。以前からデーブの行動を問題視していた球団側がヘッド就任を白紙に戻した。実際に、8日には田淵幸一ヘッドコーチ(66)の解任が発表されたが、同時にヘッドの後任を置かないことも明らかになったのはそのためだ。
とはいえ、三木谷オーナーの後ろ盾がある以上、デーブを“閑職”に追いやることもできない。そこで二軍監督のポストに落ち着いたという。「なぜヘッドにしなかったのかとオーナーに問いただされても、二軍監督のポストなら説得力がありますからね」(別の球団関係者)。だからこそ今回の人事は事実上の“降格”だというわけだ。
ナインの声が大きな抑止力となった今回の一件。来季の楽天一軍のベンチに再び“平和な日々”が訪れるか。