新日本プロレス8日の両国国技館大会で野人・中西学(45)が492日ぶりにリング復帰を果たした。下半身不随の可能性もあった「中心性脊髄損傷」を克服して、奇跡の復活を遂げた中西は本紙に独占手記を寄せ、プロレス界全体の原点回帰とドクターチェックの必要性を提言。バルセロナ五輪にも出場したアスリートにして20年のプロキャリアを誇る野人が、死の淵からよみがえった心境を激白した。
【中西学 独占手記】まず最初に、プロとして失格と言われても仕方ないケガをしてしまい、長い間ファンの皆さんに心配とご迷惑をかけてすみませんでした。そして見捨てないでくれてありがとうございます。
やっと現実に戻ってこれました。やっと中西学の再デビューが実現した。今までの自分もいれば、今までのことができない自分もいた。新しい自分はこれから作っていくものやと思う。
カッコいいことばっか言ってても「動かへんのちゃうか」と思ったりもした。弱い自分もあったけど、支えてくれる人がたくさんいて。今までは「何でもかんでも自分でできる」って横暴すぎた。でも一人ではできへんから、絶対。
親父(正紀さん=82)も今日、見に来てくれた。ケガをした時(昨年6月4日、地元の京都大会)は自分の家族、親戚も見てたから一時は「もうリングに立たさんといてくれ。違うことをやらせたほうがええんちゃうか」って言ってたけど、オレにプロレス以上のものはないし。ワガママを貫かせてもらって「とにかく祈ってるから」って言ってもらった。
坂口(征二)さんも自分のことを本当に考えてくれた。「中西を何とかしてやらないと」と会社に言ってくれて。後押しがあっていろいろな場を作ってもらった。決して言葉数多い人じゃないけど「何かあったらオレに言え」と。支えてもらいました。力強かったです。
今のプロレスは、派手な技を相手にかけることもある。逆に相手の技を派手にもらってすごい試合しようっていうんじゃなくてね。やっぱり昔のプロレス、坂口会長がやってたころのプロレスから学ぶべき点は多いですから。オレは運が良くて帰ってこれた。奇跡なんです。せやけど奇跡が起こらなくて亡くなった人もいますから。危険と背中合わせなのは確かです。
未然に防ぐのは本人の努力次第だと思うけど、学ぶべきは昔のプロレス。プロレス本来の戦いをしましょう。俺が言うのも何ですけど、命あってのものですから。その経験を生かしていくしかない。危ない世界やったら後継者も育たない。
一人ではプロレスできないですから。自分の状況を周囲に把握してもらって。医学もすごく発展してるし。20年前やったら自分もこんなふうに元気になってないですから。そういうドクターチェック、ケアも最新のことができるように、業界として体制をとってほしいと思います。
復帰戦が終わったけど、やりきったということはないですから。結果を出さなければ声援も罵声に変わるんで。リングで生き残っていくために、また明日から練習です。これからもよろしくお願いします!
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