鳥栖戦に向け調整する田中隼。試合のポイントにロングスロー封じを掲げた=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのDF田中隼磨(30)が12日、鳥栖戦(20日・佐賀)へ向け「ロングスロー封じ」をポイントに掲げた。鳥栖はMF藤田直之(25)のロングスローを大きな得点源にしている。田中隼は「むやみに出さないようにしないと」とピッチ外へのクリアを極力控え、鳥栖の強みを消す構えだ。
相手が強力な“飛び道具”を備えているのなら、それを使わせなければいい。田中隼がはじき出した鳥栖戦勝利への作戦は明快だった。「相手のストロングポイントを出させないようにするのは当たり前。状況にもよりますが、むやみに出さないようにしないと」
サイドバックが自陣で簡単にピッチ外へボールを蹴り出すようなプレーは、みすみす相手にロングスローの機会を与えてしまう。できるだけパスでつなぎ、敵陣へボールを運ぶのが得策だと語った。
強い警戒感には理由がある。鳥栖は藤田の高速ロングスローを起点にゴールを量産。グランパスも4月7日の豊田スタジアムでの対戦でも、1−0で勝利したものの、たびたびピンチを招いた。DF増川も「いい肩をしている」と敵ながら絶賛したほどだ。
田中隼の説く“脱クリア”はロングスロー封じの特効薬だが、外にクリアせざるを得ない場面もある。その場合は、一丸となってペナルティーエリア内を固める。「より注意を払って守らないといけない。チーム全体で守る」と田中隼。是が非でもロングスローからの失点を阻止する。
「鳥栖は全員がハードワークするチームだし、特にホームでは強い。アグレッシブに戦わないと勝てない」と田中隼は言う。負けられない鳥栖戦。相手の「足」のみならず、「肩」を封じることが、勝利への近道だ。 (木村尚公)
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