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【芸能・社会】

幸四郎70歳 初の不破伴左衛門 福助と国立11月公演

2012年10月12日 紙面から

「浮き世の憂さを晴らしに来てください」と呼びかけた松本幸四郎(右)と中村福助=マンダリンオリエンタル東京で(小平哲章撮影)

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 松本幸四郎(70)と中村福助(51)が11日、東京・日本橋室町のマンダリンオリエンタル東京で国立劇場11月歌舞伎公演の製作発表に出席した。

 上演するのは、鶴屋南北の名作「浮世柄比翼稲妻」。山東京伝のベストセラー小説「昔話稲妻表紙」を基に、幡随院長兵衛と白井権八の物語世界をないまぜに、19年ぶりの通し上演で両花道を使うなど歌舞伎美を際立たせる。

 幸四郎は、4度目となる幡随院長兵衛のほか不破伴左衛門を初役で務める。「長兵衛のセリフの中に“立派なハラの5代目”…とありまして5代目というのは幸四郎のこと。そういう入れごとのセリフがありまして、祖父や父も演じた高麗屋に縁のある演目です」。

 8月19日の古希(70歳)の誕生日には、ミュージカル「ラ・マンチャの男」1200回を達成して、作者の夫人からトニー賞のブロンズ像をプレゼントされた。その後、長男の市川染五郎(39)が、舞踊公演中の事故で大けがをするなど目まぐるしかったが、「今年1月も国立劇場でした。1年をしめくくるにふさわしい作品です」と力を込めた。

 福助は、「父を亡くして、昨日(10日)で1年。幸四郎さんには公私ともに支えていただいた」と話し、3度目となる傾城葛城など3役については、「人間模様が表現できれば」と意欲を見せた。

 染五郎が2役を予定していた名古屋山三は中村錦之助、白井権八は市川高麗蔵が演じる。11月3−26日。

 

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