【釆沢嘉高】尖閣諸島の魚をめぐり、国内で新たな紛争が起きている。沖縄県石垣市の水産会社が鮮魚に尖閣産のロゴマークを付けたところ、周辺海域の平穏を願う地元漁協が反発。特許庁に商標の登録取り消しを求めている。
商標登録したロゴで鮮魚を販売しているのは、同市の株式会社「尖閣」。鮮魚店主や地元市議ら5人が4月に設立。地元の政治団体「尖閣諸島を守る会」の男性が2月に取得した商標権を無償で譲り受けた。
9月、尖閣諸島の魚釣島沖合2〜3キロ、水深200〜300メートルで捕れたハマダイなど約51キロを東京に初出荷。「尖閣」と書かれた文字の周りに尖閣諸島や魚をあしらった直径約20センチの円形のマークを付けた。「一口食べて尖閣を守ろう!」とのキャッチフレーズも付く。高江洲正一社長は「尖閣ブランドを全国に広めたい」と話す。