イチローは一戦必勝の大一番に「2番・左翼」で先発。第1打席は一回一死無走者の場面だったが、先発ハメルが投じた3球目のチェンジアップを打たされ二ゴロに倒れた。四回一死無走者の第2打席は内角直球につまり、またも二ゴロ。
だが1点リードで迎えた六回の第3打席、一死からジーターが四球で出塁すると、イチローはハメルの甘い初球を迷わず一振り。鋭い打球は右中間を真っ二つに破ってフェンスを直撃すると、一走・ジーターが一気に生還。待望の適時二塁打でチームに貴重な追加点をもたらした。八回一死無走者の第4打席は3番手・ストロップから四球を選び出塁したが、得点には至らなかった。この日は3打数1安打1打点で、プレーオフの通算打率は.217となった。
ヤンキースは0-0の五回、先頭の4番・テシェイラが右前にチーム初安打を放つと二盗に成功。5番でスタメン出場の好調イバネスが中前にしぶとく抜けるヒットを放ち、テシェイラを迎え入れて先制した。六回にイチローのタイムリーで2点目を追加すると、七回一死から7番・グランダーソンが右翼2階席にソロ本塁打を叩き込み、リードを3点に広げた。
ヤンキース先発の左腕サバシアは、八回一死一、二塁から元阪神のフォードに左前適時打を許して初失点。なおも満塁のピンチを背負ったが、得意のスライダーを武器に後続を抑えると、9回4安打1失点で完投勝利を飾った。
勝ったヤンキースは13日に開幕するア・リーグ優勝決定シリーズ(7回戦制、4勝先勝でワールドシリーズに進出)で、タイガースと対戦する。