ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
週刊 上杉隆
【第17回】 2012年10月11日
著者・コラム紹介バックナンバー
上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

多様性の芽を摘み異論を排除する
日本の幼稚な言論空間に変化を!

previous page
4
nextpage

 まず、本質を見失ってほしくないために言うが、当時、そうした人々は、海外政府やメディアの発表を、「そんな事実はない」「デマだ」と言っていたのだ。そうした自分たちの間違いはこのように消えてしまっている。

 そして指摘の部分だが、江川氏はじめツイッターなどでいつも個人攻撃をする稚拙な人々は、この新聞の2011年3月19日付の記事を私が盗用したと決めつけている。

 だが、わたしがこの情報を最初に話したのは3月16日の文化放送「吉田照美のソコダイジナトコ」、東京FM「タイムライン」であり、その情報とさらに、オバマ米大統領のホワイトハウス演説をもとに枝野幸男官房長官に質問をぶつけたのは3月18日の午後のことだ。

 あの震災直後の多忙と絶望の一週間の最中に、どうやって私が3月19日の読売新聞の記事を知ったのか不思議だ。

 もう、これだけ説明すれば、十分だろう。あとは、江川氏ら扇動する者たちが読売新聞に取材すれば済むだけだ。

 少しだけヒントを出せば、当時、私は自らの情報に関しては著作権などの権利を解除していた。たとえばメルマガなどに載った情報も、問い合わせがあれば、「緊急事態です。人道的見地からも、どうぞ自由に転載してください」と言っていた。

 だが、私はそれによって他者に権利侵害を訴えることなど考えもしなかった。なぜなら、そうした情報は被曝の危険性のあるすべての住民のものだったし、なにより日本人全体が共有すべき多様な情報のひとつだと信じていたからだ。

 冒頭示したように、元ジャーナリストの私は、もはや幼稚な日本現代の言論空間で、自らの正しさを証明しようとは思わない。だからこうしたことがずっと続いたこの一年半、扇動者たちのを発言を放置し、とくに江川氏については、同じ自由報道協会にいた元同志として外野の煽りによる「分断」の象徴となることを避けるために、ただの一度もメンションを返さなかったのだ。

previous page
4
nextpage
Special topics
ダイヤモンド・オンライン 関連記事


DOLSpecial

underline
昨日のランキング
直近1時間のランキング

話題の記事


上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

株式会社NO BORDER代表取締役。社団法人自由報道協会代表。元ジャーナリスト。1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者、フリージャーナリストなどを経て現在に至る。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著) 『放課後ゴルフ倶楽部』 『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)  『有事対応コミュニケーション力』(共著) 『国家の恥 一億総洗脳化の真実』 『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』 『大手メディアが隠す ニュースにならなかったあぶない真実』


週刊 上杉隆

芸能・スポーツから政治、原発問題まで、(株)NO BORDER代表・上杉隆が鋭く斬り込む週刊コラム。

「週刊 上杉隆」

⇒バックナンバー一覧